200-year-plan

ラガヴァ・KK あなたの200ヵ年計画は何ですか?

「向こう5カ年の計画をお持ちの人は多いでしょう。でも200カ年計画は同ですか?」ラガヴァは語りかける。ここでは、70万ビューを超える Raghava KK のTED講演を訳し、デジタル時代の遺産について考える。

要約

向こう5ヵ年の計画をお持ちの人は多いでしょう。でも200ヵ年計画はどうですか? 画家のラガヴァ・KK がディジタル時代の遺産として200年後に何を残そうとしているのか、語ります。そして我々にも同様な思考をするよう説きます。

Raghava KK’s paintings and drawings use cartoonish shapes and colors to examine the body, society, our world.

 

1 インドの子にメイ・ウエストはないでしょう

約75年前 私の祖父が若かった頃 テントを改造して 映画館に設えた。このような場所に行きました。出演した女優にどうしようもなく 恋焦がれてしまいました。その女優こそメイ・ウエストです。30年代 憧れの的でした。どうしても忘れられなかった祖父は 何年も経って 娘が生まれた時 メイ・ウエストにちなんで 名づけようとしました。でもインドの子にメイ・ウエストはないでしょう。家族は大反対でした。

私の双子の兄 ケイシャヴァが生まれると 祖父は名前の綴りに 少し手を加えることにしました。メイ・ウエストの メイは M-A-E じゃ ケイシャヴァ(Keshava) のケイも K-A-E にしよう。そう言ってケイシャヴァのスペルを変えたのです。つい数週間前 今度はケイシャヴァに レイハンという名の男の子が生まれました ケイシャヴァはレイハンの綴りに わざとか分かりませんがA-E を入れました。

 

2 自分たちの200ヵ年計画を立てる

祖父はかなり前 私がまだ小さいころに 亡くなりましたが メイ・ウエストへの憧れは スペル違いという形で子孫に 受け継がれているのです。これって立派な遺産ですよね。ところで私自身も 馬鹿げた遺産計画を 妻と共謀しています。何年かごとに膝をつき合わせて 白熱の議論をしては 自分たちの 200ヵ年計画を 立てるのです。友人はきちがい沙汰だと言います。両親は我々を正気扱いしません。実は二人とも 謙遜や知恵を美徳とする 家系の出身です。でも一生を越えて生き続けたいと 思っているのです。ラージャ・ヨーガの考え方では 苦行者になる前に しゃれ者になるのです。ロック歌手になった自分です。家の中だけですけどね。どうです?

 

3 創造性を自由に発揮できる理想的な状況

そこで 10年前に 妻と初めてこの計画を 練った時 この計画の範囲は 自分を遥かに 超えるものにしたいと思いました。自分を超えるってどういうことでしょう?つまり考えたのは 200年も経てば 我々が直接接っした相手は 世界中に誰もいなくなるでしょう。私が人生で出会う人は 誰ひとり200年も 生きないわけですから 計画を作る上で創造性を 自由に発揮できる理想的な 状況だと思ったのです。実は遺産なんて信じない質です。だって 何かを 残すと言っても 私は画家です。9/11の漫画を作ったのが失敗の基でした。大いに困りました。とても動転しました。その週だけのために書いた漫画が その後とても長い期間 残り続けることになりました。

 

4 自分たちの何を忘れ去ろうか

私は美術作品を 作っており それらの作品は 私よりも間違いなく長く残るので それらの絵画を通して 何を残そうか考えるわけです。9/11 の漫画は とんでもない失敗だったので 漫画なんか もう描くものかと決めました。もう公けに正直な発言をするのは 止めようと思いました。ところが もちろん 正直で生の作品を作り続けました。人々が以前に私の作品に示した 反応を忘れたからです。実は 時には忘れるってことは 理想家であるために とっても大事です。記憶を失うってことが 人間としての生存に 極めて重要なんです。

私と妻が 200ヵ年計画を描く上で とても大事にしていることは 自分たちの何を忘れ去ろうか ということです。私たちは 両親や社会 周りの人々からの 多くの荷物を背負ってます。恐れや不安 200ヵ年計画では子どもの頃の問題全てが いつ失効するか リストアップします。子どもの頃の問題に実際に 失効期日を設定するのです。最近設定した期限は 左翼的かつフェミニストな姑への 恐怖心が切れる日です。そして それは 今日なんです! お義母さん 見てますか。

 

5 自分の何を覚えておきたいか

さて一方では いつも 自分の何を覚えておきたいか いつもよく考えています。私にとっては とても 大事なことです。私が描く絵画にも直接 反映されることです。友達と一緒で記憶を残すことは得意です フェイスブック ピンタレスト ツイッター フリッカー ユーチューブ 何でもありです。いわば自分の記憶をディジタル世界に アウトソースするわけです。でも それって 問題です。IT を記憶として捉えるのは 簡単ですが 私たちの脳はITのように 完璧な記憶保持装置 ではありません。覚えておきたいことだけ 覚えるのです。少なくとも私はそうです。私は人の脳は 自分の記憶を選りすぐって 保存するキュレーターだと考えます。ITが記憶でないとしたら じゃあ いったい何なんでしょう?

 

6 私たちはデジタル技術を使って自分たちを記録する最初の世代

私とネイトラは ITを 200ヵ年計画でディジタル遺産を 収集する道具だと捉えています。私の母の写真です。最近フェイスブックのアカウントを作りました。どうなるか分かるでしょう?使い方を色々教えてあげたのですが 私のページに この写真が載った時には 参りました (笑)あわてて自分のタグを外すと 電話をして言いました。“お母さん もう二度と僕がビキニ姿の 写真は載せないで!” “なんで?とってもかわいいよ” と母が言うので言い返しました “お母さん 分かってないんだから”

もしかしたら私たちは ディジタル技術を使って 自分らを記録する最初の世代かもしれません。積極的に自分たちの生活を 記録するのもはじめてでしょう。賛成か反対か 遺産か否か は別にして 私たちは常にディジタルの足跡を 残しているのです。そんなわけでネイトラと私は 200ヵ年計画で ディジタル遺産を収集し それとともに 自分の過去と未来までも 収集することにしました「どうやって?」と思うでしょう。

 

7 将来は時間が後ろ向きに自分へと向かってくるもの

将来って 私が思うに 自分が時間を前向きに進むのではなく 時間が後ろ向きに自分へと 向かってくると思っています。自分の将来が近づいてくるのを 思い描くことができるのです。欲しくないものは避けて 欲しいものを受け入れます。障害物レース・ゲームみたいなものです。だんだん得意になりましたよ。絵を描く時も 既に出来上がった 絵の後ろから 誰かが鑑賞する様を 想像します。その人達が本当に 楽しんでいるか見ます。心から感動しているのか 興味本位なだけなのかとか。それを頼りに絵を描きます。展覧会を開く時にも 来てくれた人が 何を持ち帰るかを考えます。

私が19才の時 最初の展覧会を開き 世界中の人々に知らせたいと 思いました。TEDはまだ知りませんでした。静かに目を閉じて 夢想したのです。見たのは 人々が みんな きれいに着飾ってやってきて 私の絵は光輝き そして夢想の中で とても有名な女優が現れて 開会を祝ってくれて 私が有名になったのです。夢想から覚めて 思いました あの人誰? シャバーナー・アーズミー か レーカーでした。二人は とても有名なインドの女優で いわばインドのメリル・ストリープです。

 

8 将来も過去のことも収集できる

翌朝 二人に手紙を 書きました。そしたら シャバーナー・アーズミーが返事をくれて 本当に来てくれたのです。初めての展覧会 12年前のことです。画家としての人生を踏み出すには またとないことでした。時間をこのように捉えると 将来も 過去のことも収集できます。私の家族の写真です。私の妻ネイトラです。200ヵ年計画の 共同作成者です。ネイトラは高校で歴史を 教えています。私はネイトラを愛していますが 歴史は苦手です。いつも言うのは “君は過去に住んでいて 僕は未来を創るから 出来上がったら 見て研究できるよ” (笑)彼女は寛大に微笑みながら 罰を与えました。“明日インドの歴史を 教えるから来て 採点してあげるから”

 

9 歴史はイメージ作成の道具?

“何てこった” と思いつつ行って席に付きました。授業になると 彼女は はじめに インド パキスタン 英国の一次資料を配りました。私が “ワアッ” と驚く間に 彼女は 史実と偏見を区分けするよう指示します。私は再び “ワアッ” 彼女は続けます。“好きな史実と偏見を選んで自分自身の 尊厳ある歴史のイメージを 作りなさい”歴史がイメージ作成の道具?私はとても刺激を受けました。私も自分バージョンの インド史を作りました。祖母から聞いた話を 付け加えました。祖母は昔電話交換手だったので ネルーとエドウィナ・マウントバッテンの会話を耳にしたり 他にも聞いていけないような 話を知っていました。それらの話も 付け加えました。私のバージョンのインド史なんです。

 

10 脳がある目的は自分の尊厳を支えるため

この時 ふと 気付いたのですが もしかしたら 本当に もしかしたら 我々の脳がある目的は 自分の尊厳を支えるためではないかと。フェイスブックに行って 見てご覧なさい!私たちは この200ヵ年計画を 誰かが150年後に実行するとは 思っていません。想像してみてください。過去から小包が届いて 開けると 指示があって 残りの一生を 書かれた 通りにしろという。ありえない 私たちは自分たちの姿勢を 正したいだけです。

私は以前は教育こそが 有意義な遺産を残すために もっとも重要だと 思っていました。教育はすばらしいです。教育のおかげで自分たちが誰なのか 世界の中でどんな位置にいるのか 理解することができます。でも実は創造性はもっとすごくて 教育が教えてくれる以上に 自分に可能性があることを 教えてくれるんです。

 

11 創造性こそ一番大事な道具

創造性こそ一番大事な 道具ではないかと 私は言いたいのです。そのおかげで自分らしくなり 将来起きることを変えていけるのです。私は自分をストーリーの語り手だと思っています。私の過去も未来もストーリーであり 語られ 語り継がれることを 待っているのです。みなさんも いつか ご自分の 200ヵ年計画を 公表する機会があることを 望みます。ありがとうございました。ありがとう (拍手)

最後に

200カ年計画は創造性を自由に発揮できる理想的な状況。自分たちの何を忘れ去るか、何を覚えておきたいかが大事。私たちはデジタル技術を使って自分たちを記録する最初の世代。将来は時間が後ろ向きに自分へと向かってくるもの。将来も過去のことも収集できる。脳がある目的は自分の尊厳を支えるため。創造性こそ一番大事な道具

和訳してくださった Akira Kan 氏、レビューしてくださった Takahiro Shimpo 氏に感謝する(2012年4月)。

内なる創造性を引きだせ


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