4-ways-sound

ジュリアン・トレジャー 我々に4つの影響を与える音について

「音は生理、心理、認知、行動面に影響を与えます」トレジャーは語りかける。ここでは、120万ビューを超える Julian Treasure のTED講演を訳し、BGMについての4つの黄金律を理解する。

要約

効果音を流すことは楽しくもあり不愉快でもあります。ジュリアン・トレジャーは音が我々に与える代表的な4つの影響について語ります。騒がしいオープンオフィスについてのショッキングな事実をよくお聞きください。

Julian Treasure studies sound and advises businesses on how best to use it.

 

1 4つの代表的な音の影響 生理的

この5分ほどでみなさんと 音との関係をがらっと変えてもらおうと思います。まず、たいていの周りの音は偶然だということに注目しましょう。そして多くは不快なものです(雑踏の音) 街角に立って、騒音が聞こえないふりをして こうやって叫んでます。このように音に打ち勝とうとする行動は 主として無意識に行われていることがわかります。

今日は、人に対する4つの代表的な音の影響について説明し 皆さんに意識して頂こうと思います。まずは生理的なもの(警報ベル) すみません、ちょっとみなさんにコルチゾール(闘争/逃走ホルモン)を投与しました。音は人間のホルモン分泌に常に影響を与え また呼吸や心拍数 脳波にも影響を与えます。

不快な音ばかりではありません。打ち寄せる波(波の音) おおよそ毎分12回の周期です。みなさんとても癒されることと思います。しかも興味深いことに、毎分12回というのは 睡眠中の人間の呼吸の周期なのです。つまり休んでいる状態の感覚を呼び覚ますのです。また、休日にリラックスしている状態と 関連付けても考えられます。

 

2 心理的 音楽や自然

2つめは心理的に影響を与えるもの 音楽は我々の感情に影響を与える 最も強力な音です(アルビノーニのアダージョ) これを流していれば、間違いなくたいていの人を 悲しい気持ちにさせることができます。音楽だけが、我々の感情に影響するわけではありません。

自然の音にも同様の効果がみられます。例えば鳥の鳴き声、これは多くの人に 安心を与えます(鳥の鳴き声) これには何十万年もの間に我々が 鳥が鳴いているのは安全な証拠だということを学んだからです。鳴きやんだときには心配しなくてはなりません。

 

3 認知 同時理解や騒音

3つめは認知機能に与える影響です。二人の人が一度に話すと、理解できなくなってしまいます(こちらが聞こえる場合は) (間違った方を聞いています)この場合は一人が2回しゃべっていますが もう一方のほうにも耳を傾けてみて下さい(どちらを聞くか選ばねばなりません)

私たちの聴覚入力処理の帯域は非常に限られていて このようなノイズの環境下で(オフィスの騒音) 生産性が著しく低下するのはこのためです。もしあなたがこのようなオープンオフィスで働くとしたら 生産性は著しく低下するでしょう。たぶんこれほど低下するとは思ってもみなかったのではないでしょうか (不吉な音楽) 静かな部屋に比べて生産性は1/3にもなってしまうのです。ここでヒントを差し上げます。もしこんな環境で働くとしたら ヘッドホンをつけて鳥の鳴き声のようなリラックスする音を聞くのです。すると生産性は元の3倍にまで戻ります。

 

4 行動 健康や店舗経営

4つめは行動面への影響です。こんな雰囲気の音に囲まれても全く行動が変わらないとしたら 驚くべきことです(テクノミュージック) 考えてみて下さい。今この人は、落ち着いて時速40キロで 車を運転できるでしょうか?たぶん無理でしょう もっと簡単に言えば、人は不快な音を避け 快適な音を求める、といえます。なので、例えば私がこんなことをしたら(掘削ドリル) みなさんは数秒で不快に思い 数分たてば揃って部屋を出て行ってしまうでしょう。このような騒音から逃れられない人は 著しく健康を損ねてしまいます。

良くない音が損ねるのは健康だけではありません。たいていの店で流れているのは不適切かつ偶然であり、敵対的でさえある音です。そのため売上に多大な影響を与えています。店舗経営されている方は、今から私が説明することから 目をそむけたくなるかもしれません。なんと30%近くもの売上損失が お客さんが店からさっさと出て行ったり、入り口で引き返したりすることで発生しています。みなさんも経験があると思いますが、その店の音があまりにひどいために 出て行ってしまうのです。

 

5 音楽は即時性と関連性想起において強力

ここから少し、我々が開発したモデルを紹介します。まずトップダウンに音の要素を抽出して 音環境を解析し そこから音の4つの影響を予測する あるいはボトムアップに どんな影響が欲しいかを考え 音環境を設計し、求める効果を得る。その結果、我々は理論を確立しました。そして音環境を設計するビジネスを行うことができたのです。

音楽についても少し。音楽というのは非常に強力です。しかし間違って使われることもしばしばです。強力だという意味は2つ。ぱっと聞いてすぐにわかるということと 何かとの関連をすぐに想起することができる点です。2つの例をご紹介しましょう(ビートルズ「ハードデイズナイト」) たいていの人はすぐにわかるでしょう。若い人はちょっと違うかもしれませんが(笑) (「ジョーズ」のテーマ)これもみなさん何かを連想しますね。これらは一秒間の音楽のサンプルです。音楽は強力ですが、残念ながら 適切でない形で商用空間に流されていることもしばしばです。これから数年ほどで改善されてほしいと思いますが。

 

6 音を使ったブランド表現は8種類

ブランドについても少し話しておきましょう。皆さんの中にもブランドをお持ちの方がいると思います。いろんなブランドが音を鳴らしています。音を使ったブランドの表現には8種類あります。全て重要ですし、どんなブランドも真ん中に指針が必要です。うれしいことに、正に今はそうなりつつあります (インテルのジングル) みなさんわかりますよね。今世界で最も多く流れている音(ノキアの呼び出し音) 日に18億回も流れています。しかもノキアはお金を払わなくていい。

 

7 調和、状況、価値、テストが黄金律

事業を経営される方に、BGMについての4つの黄金律を お教えしましょう。まず第一に調和すること。視覚的なメッセージと同じ方向性をもつことです。これによる効果は1,100%を超えます。もし音が調和せずに正反対の方向を向いていたら 効果は86%も減少します。桁違いに増えるか、あるいは減るかというほど違います。大事な点です。第二に状況にふさわしいものであること。第三に価値あるものであること。音でお客に与えるものがあること むやみに音をぶつけるだけではいけません。そして最後に、何度も何度もテストすること。音は複雑です。その影響については様々な議論があります。ちょうど皿に盛られたスパゲッティのように 時にはまず食べてみてどうなるか試してみなければいけません。

今日のお話で音について皆さんに意識して頂ければ幸いです。もし意識して聞いて下さっていれば 周りの音を操ることができるようになります。健康にもいいですし、生産性にも貢献します。我々みんなが行えば、 私がめざす安らかな音の世界を実現できると思います。もう少しだけ、鳥の鳴き声を皆さんにお聞かせしましょう(鳥のさえずり) おすすめは一日最低5分、でもいくら増やしても過剰摂取ではありません。ご清聴ありがとうございました (拍手)

 

最後に

人に対する4つの代表的な音の影響がある。それは生理、心理、認知、行動面に現れる。音楽は即時性と関連性想起において強力。音を使ったブランド表現は8種類ある。調和、状況、価値、テストが黄金律

和訳してくださったTakeshi Morita 氏、レビューしてくださった Masahiro Kyushima 氏に感謝する(2009年7月)。

サウンド・ビジネス ~「音」から価値を生み出す新手法~


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>