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反省だけならサルでもできる 経営戦略のための業務改善と分析手法3選

何かに挑戦する。失敗する。また何かに挑戦する。また失敗する。そのサイクルの中で、より良いものができていく。ここではPDCAサイクルや品質管理手法といった、事業の成功確率を高め、それを継続させるための分析手法についてまとめる。

情報処理推進機構のシラバスにおいては「2.OR・IE」「9.経営戦略手法」に対応している。

 

1 PDCAサイクルとデータ整理技法

業務のやりっ放しを防ぐのが、PDCAサイクルによる業務改善の役割である。

 

ブレーンストーミング

複数人で自由に意見を言い合って、幅広いアイデアを引き出す手法。次のようなルールがある。

  • 批判厳禁
  • 自由奔放
  • 質より量
  • 結合改善:便乗意見は大歓迎

 

バズセッション

全体を少人数のグループに分け、それぞれのグループ毎に結論を出すようにする手法。

 

KJ法

収集した情報をカード化して、それらをグループ化することで、問題点を浮かび上がらせる方法。川喜田次郎氏が考案した。次のような流れで進む。

  1. 情報収集
  2. カード作成
  3. グルーピング
  4. 見出しづくり
  5. 図解
  6. 文書化

 

決定表(デシジョンテーブル)

複数の条件と、それによって決定づけられる行動とを整理するのに有効な表。上段に想定される条件を書き、下段に取り得る行動を書く。プログラミング時に内部の処理条件を整理したり、試験パターンを作ったりという用途で用いられる。

参照:徹底研究! 情報処理試験

 

2 グラフ

データをわかりやすく表現するためには、その内容に適した種類のグラフを選択する。有名なものには、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフがある。

 

レーダーチャート

項目ごとのバランスを見るのに役立つのがレーダーチャートである。参照:wikipedia

 

ポートフォリオ図

2つの軸の中で、個々のグループが「どの位置にどの大きさで分布しているか」見ることができるグラフ。例えば業界内における自社の位置づけや、製品ごとのマーケット分布図などを表せる。

参照:pmstyle.jp

 

3 品質管理手法

品質管理手法として「QC(Quality Control)七つ道具」と呼ばれるものがある。層別、パレート図、散布図、ヒストグラム、管理図、特性要因図、チェックシートの7つである。

定量的な七つ道具に対し、言語データを元に定性的な分析を行う手法として新QC七つ道具がある。連関図法、親和図法(KJ法と同じ)、系統図法、マトリックス図法、マトリックスデータ解析法、PDPC法、アローダイアグラム法が含まれる。

 

層別

データを属性ごとに分けることで特徴をつかみやすくするという考え方。年齢別、男女別、ジャンル別など。

 

パレート図

現象や原因などの項目を件数の多い順に棒グラフとして並べ、その累積値を折れ線グラフにして重ね合わせることで、重要な項目を把握する手法。この手法を利用して、累積比率の70%を占める項目をA群、それ以降の20%をB群、最後の10%をC群と分けて考える手法をABC分析と呼ぶ。

参照:品質改善.com

 

散布図

相関関係を調べたい2つの項目を対としてグラフ上にプロット(点を打つこと)していき、その点のばらつき具合によって両者の相関関係を判断する手法。

参照:統計WEB

 

ヒストグラム

収集したデータをいくつかの区間に分け、その区間ごとのデータ個数を棒グラフとして描くことで、品質のばらつきなどを捉える手法。

参照:品質改善.com

 

管理図

時系列的に発生するデータのばらつきを折れ線グラフで表し、上限と下限を設定して異常の発見に用いる手法。

参照:初級シスアド取扱説明書

 

特性要因図

原因と結果の関連を魚の骨のような形状として体系的にまとめ、結果に対してどのような原因が関連しているかを明確にする手法。

参照:問題解決の手法と解決力をつける

 

チェックシート

あらかじめ確認すべき項目を列挙しておいたシートを使って、確認結果を記入していく手法。誰がやっても作業にモレをなくすことができる。

 

参照:東黒21

 

最後に

経営戦略のための業務改善と分析手法として、PDCAサイクルとデータ整理技法、グラフ、品質管理手法についてまとめた。筆者は特に、レーダーチャート、ポートフォリオ図、パレード図の3つを活用している。

レーダーチャートは、主に短期的戦略を練る際に用いる。分析項目を共通化することで、自社と競合他社の強みと弱みを把握することが容易になる。その結果共通認識をイメージとして持つことができ、対策を早期に行うことができる。

ポートフォリオ図は、主に長期的戦略を練る際に用いる。定期的に業界シェアと成長率、商品価格帯と主要購入層など2軸で比較することで、方向性のブレの確認修正が可能だからだ。

パレード図は、主に日々の検証業務に用いる。商品には売れ筋(売れるもの、反応率が高いもの)があり、販売構成比が安定して高いものがある。そういった商品の欠品や設置場所のずれがないように管理することで、最低限の売上は確保することができる。

営業や販売では、最終的には「これだけは伝えたい」という熱意がものをいうケースが多い。しかし、表やグラフなどを使ってわかりやすく伝える努力をするという行為も、相手から信頼感を得るために有効な方法である。ぜひとも自分なりに工夫していただきたい。

最終回である次回は、財務会計についてまとめる。

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