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フェイス・ジェゲディ 「自閉症の弟たちから学んだこと」

「今日は1つだけお願いがあります。私が普通だなんて言わないでください」ジェゲディは笑顔で語りかける。ここでは、40万ビューを超えるFaith JegedeのTED講演を和訳し、「普通」を超えた人生を追求するおもしろさを学ぶ。

要約

フェイス・ジェゲディは、二人の弟と共に育ったという感動的で面白い話を語ります。どちらの弟も自閉症であり、そして非凡です。TED Talent Searchでのこのトークは、私たちに「普通」であることを超えた人生を追求する重要性を再認識させてくれます。

Writer Faith Jegede draws on her experiences growing up with two autistic brothers in order to spread awareness and understanding about this increasingly common diagnosis.

 

1 22歳のレミは1度も嘘をついたことがない

今日はお願いが一つだけあります。私が普通だなんて言わないでくださいさあ 皆さんに私の弟たちを紹介します。22歳のレミは 背が高くて すごいハンサムです。口数は少ないですが 演説家ができない方法で彼は喜びを分かち合います。レミは 愛が何かを知っていて 偏見なく 無条件に共有するのです。彼は強欲でもなく 肌の色も気にしません。宗教的な違いも受け入れます。何より彼は・・ 一度も嘘をついたことがないのです。幼いころから 彼は歌を歌うとき 私ですら覚えられない歌詞に挑戦します。そして私はあることに気付かされます。私たちが心について いかに無知か。また 未知のことがどれだけ素晴らしいかとね。

 

2 16歳のサミュエルは申し分ない記憶力を備えている

16歳のサミュエルは 背が高くてハンサムです。彼は申し分ない記憶力を備えています。えり好みをしますけどね。彼は 私のチョコ棒を盗んだことは忘れていますが、私のiPod内にある全ての曲のリリースされた年や 彼が4歳のときにした私との会話 『テラタビーズ』第一話を見て私の腕にお漏らししたこと、そしてレディ・ガガの誕生日を彼は覚えています。

 

3 彼らは自閉的で非凡

すばらしいと思いませんか。大半の人は賛成してくれません。実際 弟たちの心は 社会の「普通」に合わないため 彼らはよく避けられ 誤解されます。しかし 私の心を持ち上げ魂を鍛えてくれたことも事実です。弟たちが普通でないと見られるのは まぎれもない事実ですが これが意味するのはただ一つ、弟たちが非凡だということ。彼らは自閉的で 非凡なのです

 

4 20分に1人ずつ自閉症と診断される人が増えている

さて 「自閉症」に馴染みのない方に説明させていただきます。自閉症は 複雑な脳の障害であり社会的コミュニケーションや 学習能力 さらには運動能力にも影響を及ぼすことがあります。自閉症には 個人差があり だから レミはサムと似つかないのです。そして世界中で 20分毎に 自閉症と診断される人が 一人増えます。これは世界で最も成長速度が速い発達障害の一つですが、原因も治療法も 明らかになっていません

 

5 純粋で無垢な気質を持ち世界を偏見無しに見る

自閉症に直面した瞬間は 覚えていませんが、私は 自閉症と関わらない日を思い出すことができません。私が3歳のとき 弟が生まれました。新しい命が 私の人生に加わるので 私はとても興奮していました。数か月が経つと 私は 弟が普通でないと気づきました。彼はいっぱい叫んでいたのです。一般的な赤ちゃんがする遊びを 嫌がりました。そして 彼は私に 少しも興味がないようでした。レミは独自の規範と共に独自の世界に君臨していました。彼は些細なことに喜びを見出しました。部屋の周りに車を並べることや 洗濯機をじっと見ること、そして 甘くなく 辛くないものを食べることなどです。成長するにつれ 彼はもっと変わっていきました。違いは さらに顕著になったのです。しかし 怒りや葛藤 そして 多動性の向こう側にあったのは とてもユニークなものでした。純粋で無垢な気質をもち世界を偏見無しに見る男の子、嘘をついたことのない人間だったのです。非凡なのです

 

6 普通である必要はなく非凡でいればいい

もちろん 家庭内で 困難もいくつかありました。弟たちが 私みたいだったらと祈ったこともありました。しかし私は 彼らが教えてくれたことを思い出しました。個性やコミュニケーション そして愛です。そして気づきました。「普通」という言葉をもってこれらを変えてしまいたくないとね。普通であるということは違いがもたらす美しさを見落としています。違うからといって 私たちの誰かが間違いなわけではありません。異なる種類の道理があるだけなのです。できるなら私はここで レミに サムに そして・・ 皆さんに伝えたいです。決して普通である必要はありません 非凡でいればいいのです。自閉的であれ 何であれ 私たちがもつ違いというのは 贈り物なのです!みんなそれを内に秘めています。正直なところ 「普通」を追求することは 可能性を潰す 究極の犠牲となります。成長や変革や素晴らしさ をもたらす機会は 私たちが他人みたいになろうとした瞬間消えてしまいます。だからお願いです私が普通だなんて言わないでください。ありがとうございました (拍手)

 

最後に

「普通である必要はなく、非凡でいればいい」当事者の家族のこの言葉は大きい。様々な困難を乗り越えての言葉だろう。その非凡さを、最大限に生かす力になりたい

和訳してくださったNaoki Funahashi 氏、レビューしてくださった Takuya Akiba 氏に感謝する(2012年11月)。

自閉症だったわたしへ (新潮文庫)


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