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個人向け国債は価格変動リスクのない債券である 国債・社債・地方債

前回は、日本で暮らすなら外貨建て資産はほとんど必要ない 外貨運用についてまとめた。ここでは、個人向け国債は価格変動リスクのない債券である 国債・社債・地方債について解説する。

1 個人向け国債

一般的な国債の仕組み

一般的な国債の仕組みは、金利が上がれば国債の価格は下がり、金利が下がれば国債の価格は上がるという関係にある。例えば、「10年もの」長期国債で「クーポン金利2%」の「利付国債」として発行されている「額面価格10万円」のものを考える。もし新しく発行された金利が3%に上がれば国債の価格は下がり、1%に下がれば国債の価格は上がる。半年ごとに支払われる利息1000円が、前者の場合は1500円になり、後者の場合は500円になるからである。つまり、利息(金利)が下がった分、国債の価値が下がったのだ。

金利の影響については、国債などの債券を①これから買おうとしている人と、②すでに買って保有している人の、2つの立場を分けて考えることが大切である。前者の人にとっては金利が上がることが望ましいが、後者の人にとっては下がることが望ましい。いずれにせよ、インフレに弱いのが特徴である。

 

個人向け国債はなぜ有利か

個人向け国債が有利な理由は、クーポン金利が変動するためインフレに強いからである。つまり、半年ごとに「6ヶ月もの定期預金」に預けることを10年間繰り返すような運用になるのである。また、「最低クーポン保証」や「最低金利を保証」という表現がつくことが多く、仮に金利がゼロとかマイナスになっても、最低でも年0.05%が保証されるのだ。さらに、証券会社や郵便局では手数料(口座管理料など)が無料である。デメリットは、発行日から1年経過しないと途中換金できないこと、中途換金に1年分の利子相当額がかかることだが、後述する地方債などの中途換金コストに比べれば安いものである。

 

2 社債

社債には信用リスクがある

国債と社債の大きな違いは信用リスクである。信用リスクとは、企業倒産によって社債の元本や利息が払われなくなるリスクである。社債は信用リスクの大きさの分だけ金利が高くなっている(リスクプレミアム)。例えば、類似条件の国債よりも金利が年1%高い社債を発行する企業は、今後1年間で倒産する確率が1%と予想されているのである。ただし、信用リスクの評価は金融機関でも難しいため、社債の購入は上級者向けの資産運用なのだ。なお、社債にもインフレによる価格変動リスクがある。

 

3 地方債(ミニ公募債)

ミニ公募債は流動性リスクが高い

地方債(ミニ公募債)は流動性リスクが高い。購入の窓口となる金融機関が限られているため、売買コストが高くなるからである。「自分が払ったお金がどこに使われているかがわかりやすい」として人気だが、ムダな支出の削減ができない結果、税収によって行うべきことができなくなっているとも解釈できる。また、以前は地元の銀行が地方債を買っていたが、それを買い渋ってきたという事情もある。地域貢献のつもりでミニ公募債を買っても、結局は自分が生活する地方自治体の財政再建を遅らせてしまうかもしれないのだ。

 

最後に

一般的な国債と異なり、個人向け国債は変動金利なためインフレに強い。社債は信用リスクがある分、個人向け国債よりも金利が高い。地方債は高い流動性リスクを背負うほど魅力的な商品ではない。地方債を買うなら「ふるさと納税」せよ

次回は、EB債・特約付外貨預金などの富裕層向け商品は得か 特約付商品についてまとめる。

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