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キャサリン・モーア 地球に優しい建築

「ギークの私が環境に優しい家を新築したときにかかったエネルギー値を示しましょう」モーアは語りかける。ここでは、60万ビューを超える Catherine Mohr のTED講演を訳し、地球に優しい建築について理解する。

要約

TED Uでキャサリン・モーアが、簡潔で、おもしろく、たくさんのデータを使って講演しました。環境に優しい家を新築したときのマニアックな選択について、誇張ではなく実際のエネルギー値を示して説明しています。どの選択が一番重要なのでしょう?皆さんの予想とは違っていますよ。

Catherine Mohr works on surgical robots and robotic surgical procedures, using robots to make surgery safer — and to go places where human wrists and eyes simply can’t.

 

1 有機食品や二酸化炭素排出量の最少化などに傾倒している

さて 私はギークです。有機食品を食べることや 二酸化炭素排出量の最小化や ロボット外科手術に傾倒しています。ぜひ 地球に優しいものをつくりたいのですが 実践方法の説明というのは いつも 善意に基づいてはいますが 道徳的理由に重きをおいて データを軽んじているので とても疑わしく思えるのです。だから 自分で検討するしかありません。例えば これは悪い事でしょうか? 自己実現を果たした幸せな地元の牛から作られた — 有機ヨーグルトを 調理台に少し落としちゃった。紙タオルをつかんで ふきたいけど 紙タオルを使ってもいいのかしら?(笑)

 

2 物を作るのにかかったエネルギーや水が「内包エネルギー」

その答えは内包エネルギーにあります。紙タオルを作るのにかかった — エネルギーや水のことです。紙タオルを使うたびに 仮想的には このくらい 水とエネルギーを使っています。拭いたら 捨てるものです。これに対して 1000回使える — 木綿のタオルなら ヨーグルトの付いたタオルを洗うまでは 内包エネルギー量が比較的少ないのです。こちらは運用エネルギーを示しています。タオルを洗濯機にかければ エネルギーと水を タオルに費やすことになります。前入れ方式の省エネ洗濯機なら 少しは ましですね。その半分の大きさの 再生紙タオルはどうかしら? 紙タオルの方が良さそうですね。紙タオルは さておき スポンジは? スポンジでふいて 流水にさらすと エネルギーは激減し 水は激増しました。でも 私みたいに 「温水」のまま蛇口を開ければ エネルギーが増え始めます。さらに タオルを洗う前に 温まるまで流しっぱなしにしたら もう 台無しです(笑)

 

3 エコ実践時のトレードオフ

つまり 時として 最適化しようとしていた どんな要素よりも 蛇口の位置みたいな 意外な要素の方が 大きな影響を与えるのです。次に 私みたいな変わり者が 家を建てようとしている としましょう (笑) 今 夫と家を建築中でどのくらいエコにできるか 知りたいと思っていました。エコ実践時のトレードオフについて 説明する記事はたくさんありますが ささいな要素の最適化を勧めて 重要な問題を見逃しているような 傾向があります。平均的な家には 300メガワット時の内包エネルギーが 含まれています。建築に費やしたエネルギーのことです。何百万枚もの紙タオルを作れる量です。

 

4 建築に費やしたエネルギーをいかに減らせるか

これを どこまで改善できるか知りたいと思いました。多くの人と同じように敷地に 家が建っているところから始まります。上の数値は 一般的な建築の場合で 下の数値は 我が家の場合です。最初に 家を取り壊します。エネルギーを費やしますが 分解して バラバラにして 残がいを再利用すれば ある程度エネルギーを取り戻せます。次に 大きな穴を掘って 雨水タンクを設置しました。庭用に水を独立してためるためです。次に 大きな基礎を構築して 太陽熱を単純利用できるようにしました。飛散灰を多く含んだコンクリートを使うと 内包エネルギー量を 25パーセントほど減らせます。次に 骨組みを構築しました。この骨組みは 木材や 複合材料ですから 内包エネルギーを戻すのは大変ですが FSCの認証を受けた木材なら 環境に優しい資源だといえます。

 

5 アルミ窓を使うとそれだけでエネルギー消費量が倍になる

この建築にあたって 初めて 本当にビックリしたのですが アルミ窓を使うと それだけでエネルギー消費量が倍になるのです。PVCなら少しは良いのですが 私たちが選んだ木材には及びません。次に 配管や 電気系統や 空調システムを設置して 断熱材を取り付けます。発泡系断熱材は高性能で すき間を全て埋められますが 内包エネルギー量がかなり高いので セルロースやジーンズの繊維を吹きつける方が エネルギーを減らせます。書斎の充てん材には わらの束を使いました わらの内包エネルギーはゼロです。石こうボードには EcoRockを使えば 内包エネルギーが 一般的な石こうボードの 4分の1になります。

 

6 床をコンクリートか木材に代えれば内包エネルギーはかなり減る

次は いよいよ仕上げです。「エコ」をうたった記事でよく取り上げられていますが 家屋ぐらいの規模では ほとんど影響はありません。なのにマスコミは重要視しています。ただしは例外です。カーペットの内包エネルギーは 家全体の10分の1ほどを占めますが コンクリートか木材に代えれば 内包エネルギーは かなり減ります。残りの建築エネルギーを追加して 合計すると 我が家の内包エネルギーは 同じような家を普通に建てた場合の 半分以下になります。

 

7 意外な要素が一番大きな効果をもたらす

でも 自画自賛する前に考えてみると 既に家があったのに この家を建築するため 151メガワット時を消費したのです。そこで疑問がわきます。どうすれば それを取り戻せるでしょうか? エネルギー効率の良い新しい家での これからの暮らしを エネルギー効率の悪い古い家と比べてみると 6年で元を取れます。ただし 古い家を改良すれば エネルギー効率が高まります。その場合と比べると 元をとるまで20年ほど かかります。内包エネルギーを考慮しなければ 改良した家と比べると 元を取るのに 50年以上かかります。これに どんな意味があるのでしょう? 我が家ぐらいの規模では 一年に運転で使うエネルギー量と ほぼ同じで 完全にベジタリアンになった場合の 5倍くらいの量です。ただし 飛行機に乗るのは問題です。明らかにTEDから歩いて帰らないといけません。私のブログに内包エネルギーの 計算値が載っています。覚えておいてほしいのですが 意外な要素が 一番大きな効果をもたらすことがあるのです。ありがとうございました(拍手)

最後に

物を作るのにかかったエネルギーや水が「内包エネルギー」。エコ実践時のトレードオフと建築に費やしたエネルギー。アルミ窓を使うとそれだけでエネルギー消費量が倍になる。床をコンクリートか木材に代えれば内包エネルギーはかなり減る。飛行機が使うエネルギーは莫大。エコギークの建築実験

和訳してくださった Stuart Ayre 氏、レビューしてくださった Satoshi Tatsuhara 氏に感謝する(2010年2月)。

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