カウンセリングやカウンセラーの資格講座を受けてみたい。彼/彼女の心理や性格を知りたい。うつ病や夫婦関係など人には言えない悩みを相談したい。「カウンセリング」について検索する人は、そういった事情を抱えている人が多いだろう。ここではカウンセリングから連想されるキーワードを分析し、検索者のニーズについて考察する。(以下データは、2012年10月9日現在)
1 カウンセリングには心理・相談が求められている
Google AdWords: キーワードツールで、「カウンセリング」を検索したところ、月間で246,000件検索されていた。続くキーワードとしては、「カウンセラー」246,000件、「カウンセリング カウンセラー」201,000件、「相談 悩み」33,100件であった。その後の関連検索として、心理、相談、離婚、うつ、東京、神戸といった言葉が検索されていた。
ここから、カウンセリングと検索する人は、カウンセラーへの相談を望んでいたり、人には言えない悩みを抱えていたり、実際にカウンセリングを受けられる場所といったものを求めていることがわかる。また、口コミ、評判といった評価を調べる用語も検索されていることから、カウンセリングを受ける前にカウンセラーのことを調べようとする傾向があることがわかる。
この点に関して、日本臨床心理士会の電話相談を紹介する。毎週月曜日と金曜日の8:30~12:00までと時間は限定されるが、通話料のみの負担で、臨床心理士という規定のトレーニングを積んだ専門家と話すことができる。もしカウンセリングを受けてみたいがそういうあてがないという方がいたら、活用してほしい。
2 カウンセラーには教育・資格が求められている
「カウンセラー」を同様に検索したところ、月間で246,000件検索されていた。続くキーワードとしては、1のように「カウンセリング」「カウンセリング カウンセラー」が続き、「講座 教育」と「カウンセラ」が同数で110,000件であった。その後の関連検索として、相談 悩み、資格 教育、教育 資格、心理 資格、通信 資格といった言葉が検索されていた。
ここから、カウンセラーと検索する人はカウンセリングと検索する人に比べ、資格や教育といった情報を調べようとしている傾向がわかる。これには、○○カウンセラーや××心理士といった様々な資格や、スクールカウンセラーといった制度があることも関係しているだろう。
この資格については、最後に臨床心理士に関するおすすめサイトを紹介する。(参考:臨床心理士74,000件、心理2,240,000件)
3 相談には法律・弁護士が求められている
「相談」について同様に検索したところ、1,500,000件ものヒットがあった。続くキーワードとしては、「法律」2,240,000件、「弁護士」823,000件、「苦情」「悩み」が同数で201,000件であった。その後の関連検索として、無料、保険、借金、相続、過払い、詐欺といった検索がされている。関連検索として「カウンセリング」が出てくるのは、29番目であった。
まず、「相談」で検索する人は、「カウンセリング」「カウンセラー」で検索する人の6倍以上いることがわかる。また、似た言葉で法律が2,240,000件と相談の約1.5倍検索されており、「行列のできる〜」といったテレビの影響力の大きさが感じられる。さらに、借金、相続、過払いといった、お金に関する言葉が多く出てきており、より生々しい状況が想像できる。
カウンセリングを和訳すると「相談、助言、忠告」となるが、その言葉の持つイメージには大きな差があることがわかる。
最後に
「やくざみたいな仕事もするからね」
筆者の大学時代の恩師がふとつぶやいた言葉である。児童相談所での経歴が長く、児童虐待など現場の話をよくしてくれた。虐待が疑われる家庭へ訪問した際、やくざに囲まれたというような話も聞いた。親権(民法)、児童福祉法など、法律は武器にも防具にもなるということも学んだ。同じ仕事人として、恩師を尊敬している。
最後に、心理学入門/臨床心理士指定大学院入試対策講座と家族心理.comというサイトを紹介したい。
前者の運営者のさとしさんは、2002年から積極的に臨床心理士についての情報を公開している方だ。臨床心理士の収入についてなど現実的な情報も多いため、興味のある人は見てみてほしい。
後者は「心の問題を家族・対人関係の視点から考えるサイト」として、家族心理学・家族療法についての情報が多く掲載されている。ソリューションバンクという解決事例の貯金サイトなどもリンクされており、ユニークなサイトである。
本稿が、カウンセリングについて検索した人に役立てば嬉しい。
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