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利益500万円超で税理士に相談しよう 自営業者のための法人化入門

個人と法人とでは税体系が異なる。前者が累進課税で右肩上がりなのに対し、後者は税率が一定である。法人化の最大のメリットは節税だが、そこにはデメリットも存在する。ここではそのメリット・デメリットや会社の形態など、法人化についてまとめる。

1 法人化する理由

法人化する理由は節税である。個人では超過累進課税によって最大50%の税率となるが、法人化することで10〜20%の節税が可能である。例えば所得が800万円以下なら約3割、それを超えると約4割の税率となる。法人にかかる税金の内訳(資本金1億円以下の中小法人)は以下の通り。

  • 法人税:年間所得800万円以下は18%、800万円超は30%。特例は法人税率の推移参照
  • 法人住民税:法人税額の17.3%(所得に対する比率は3.8〜5.2%程度)
  • 法人事業税(地方法人特別税含む):年間所得400万以下は5.0%、400万超は7.3%、800万超は9.6%

 

2 会社の形態

新会社法、商法で定められた会社の種類には、株式会社、合同会社(LLC)、合名会社、合資会社の4種類がある。主な違いは有限責任か無限責任かという点である。株式会社と合同会社は有限責任で、合名会社と合資会社(有限責任社員は除く)は無限責任である。

  • 有限責任:会社の持つ債務はその財産の範囲までしか責任を負わない
  • 無限責任:会社の持つ債務はその財産で足りなければ自分の財産まで使って弁済に充てることを迫られる

法人化に必要な費用は20万円程度。他に資本金という名の1円以上の見せ金(法人化後は運転資金として使用可能)が必要。また、取締役が必要であり、任期満了のたびに登記費用がいる(資本金1億円以下の場合1万円)。

参照:Pyxis

 

3 法人化のメリット・デメリット

メリット

  • 事業主も社長として会社から給与を受け取ることができる(給与所得控除)
  • 設立から2年間は消費税の免税事業者になる(資本金1千万円未満の場合)
  • 社会的信用が高くなり、経費が認められやすくなる

 

デメリット

  • 法人住民税の均等配分は赤字でも納めなければならない(最低7万円)
  • 税務調査が入りやすくなる(プラス5%)
  • 社会保険を選択できる

 

4 法人化するタイミング

法人化する目安は利益が700〜800万円となったときである。そのため、利益が500万円を超えたあたりから税理士に相談するとよい。相談料は、1時間あたり1万5千円程度。正式な依頼の場合、例えば消費税が簡易課税で月に2万〜2万5千円くらい。決算時期に4ヵ月から6ヵ月分(8万〜15万円)が目安となる。

 

最後に

自営業者のための法人化入門として、法人化する理由、会社の形態、法人化のメリット・デメリット、法人化するタイミングについてまとめた。

法人化の目的は信用の獲得である。規模がある程度大きくなるまでは個人でも問題ない。しかし、それではいつまでたっても「個人」の力に依存することとなる(それはそれでやりがいはあるが)。法人化することで税理士や弁護士など、かかわる相手が増える。そこから得られる情報の質も量も上がる。取引先とのかかわりも、個人—個人と法人—法人という2つの関係を持つことができる。何か問題が起きたときにも、すぐに頼れる相手が増える(税務署に総動員で相談に行くなど)。法人化の最大のメリットは節税であるが、結果として社会的信用を獲得することができるのである。

次回は税務調査についてまとめる。

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。


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