depressed-comic

ケビン・ブリール うつ病をわずらうコメディアンの告白

「私の人生で長い間2つの全く違う人生を歩んできたように思います。皆が見ている人生と自分だけが知っている人生です」ケビンは語りかける。ここでは、115万ビューを超える Kevin Breel のTED講演を訳し、自らの命を救ったある夜について告白する。

要約

ケビン・ブリールは鬱とは無縁に見える青年でした。バスケチームのキャプテンで、パーティーにくり出し、面白くて自信に満ちて見えたからです。この講演で自らの命を救ったある夜について告白します。告白する必要があったのは簡単な一言でした。

Writer, comic and mental health activist Kevin Breel speaks up about depression.

 

1 私の人生で長い間2つの全く違う人生を歩んできたように思う

私の人生で 長い間 2つの 全く違う人生を歩んできたように思います。皆が見ている人生と 自分だけが知っている人生です。皆が見ている 人生では 私は 彼らの友であり 息子、兄弟 お笑い芸人 そしてティーンです。これが 皆が見ている自分 もし 私の友人や家族に聞いたら そんな答えが返ってくるでしょう。事実 それが私の大部分であり私は そういう人間です。でも もし私自身に自分のことを聞いたら 同じことを言うだろうと思います。嘘はついていませんが 完全に真実を伝えているとも言えません。なぜなら 本当のところ それは 皆が理解している私の姿であり 私だけが知っている私の姿。本当の私は ― 鬱と激しく戦っている青年 うつ病を患って 6年になります。毎日 続いています。

 

2 すべてが上手く行っているときに悲しくなるのが本当のうつ病

さて これまでうつ病を発症したことが ない方や この病気が何であるか知らない方は 私の告白に驚かれるかもしれません。かなり 一般化した誤認のせいでしょう。それは うつ病とは人生が上手く行かないとき 彼女と別れたり愛する人を失ったとき 希望していた職に就けなかったとき ただ悲しくなるというものです。でも不幸で悲しくなるのは当然のことです。自然な人間の感情です。本当の うつ病とは人生が上手く行かないとき 悲しくなるのではなく すべてが上手く行っているとき 悲しくなるのが本当のうつ病です。これが 私が苦しんでいるうつ病です。

 

3 鬱について話すことには勇気が必要だった

正直に言うと ― ここに立って お話することは勇気がいりました。鬱について話すことです。皆にとっても 話しにくいテーマのように思います。ですから 誰も話したがりません。鬱については 話題にあがりませんが 私たちは 議論する必要があります。今 とても大きな問題だからです。でも ソーシャルメディアでは見かけませんよね? フェイスブック、ツイッターで目にしません。ニュースでも取り上げないハッピーではないし 楽しくもないし暗い話題だから どこにも取り上げられないので事の重大性が分かりません。

 

4 世界のどこかで30秒ごとに自ら命を絶っている人たちがいる

これを聞けば 重大性と深刻さを理解していただけます。30秒ごとに ― 世界のどこかで30秒ごとに 自ら命を絶っている人たちがいます。鬱のためです。ご近所かもしれないし隣国かもしれないし 遠い大陸の向こうかもしれない。でも事実です。この瞬間にも毎日起こっています。私たち 社会はこんな問題を見て 「だから何?」と言ってしまう傾向があります 「だから何?」「それは貴方の問題だ」 「それは彼らの問題だ」 悲しいとか同情するとか言いますが 「だから何?」とも言います。

 

5 あの夜、ベッドの上で薬瓶をかたわら紙とペンを手にして自らの命を絶とうと考えていた

2年前うつ病とは 私の問題でした。これまで 何百万回も座ってきた 自分のベッドの端に腰かけて 自殺を考えました。自殺願望がありましたがもし 私のうわべだけの人生を見れば そんなことは想像だに しなかったでしょう。私はバスケチームのキャプテンで ドラマ・演劇と国語の年間優秀生徒 常に 成績優秀者名簿に名前があがって あらゆるパーティーに出かけていた うわべだけなら鬱なんて分からないでしょう。自殺願望があるなんて信じないでしょう。でも 違います。あの夜 ― ベッドの上で 薬瓶をかたわら紙とペンを手にして 自らの命を 絶とうと考えていました。一歩手前でした。死を目前にしていました。

 

6 笑顔の下にはいつも苦しみがあって、明るさの影には暗い自分がいた

でも 思いとどまりました。ビルの屋上から 下を覗き込んだものの飛び降りなかった 幸運な人たちの 1人です。生き残った 幸運な1人 私は生き残りました。ですから ここにいて 私の人生はこうです。簡単に言うとうつ病を患っています。うつ病に苦しんでいます。それで 長い間 ― 私は2つの 全く異なる人生を生きてきました。お互いの人生が 常に片方を恐れていました。周りの人たちに本当の自分を知られるのが怖かった。皆が思っているような完璧で人気者の高校生では無かった。笑顔の下にはいつも苦しみがあって 明るさの影には暗い自分がいた。自分の肥大したパーソナリティーの下にはもっと大きな痛みが潜んでいた。

 

7 純粋な無知こそが鬱や心の病気を受け入れない世界を作っている

ある人は 女の子に好かれないのを恐れるし サメが怖い人死の恐怖に怯える人もいます。私の場合 人生の大部分において自分自身が怖かった。本当の自分 正直さ 弱さが怖かった。その恐怖が ― 私を 隅に追い詰めて どこにも行き場がなくなって出口は1つだと思った。この出口について来る日も来る日も 考えていた 毎日です。正直に お話しするなら 今も ずっと考えています。これが この病であり 私が戦っているもので鬱なんです。うつ病は 水疱瘡とは違う。かかってしまえば二度とかからない病気とは違います。共存していく病気でその中で生きなければいけない。追い出せないルームメート、無視できない声なんです。逃れられない感情であり 最も怖いのがしばらくすると ― 何も感じなくなってしまいそれが 普通になってしまうこと。何より 本当の恐怖は 自分自身の内なる戦いではなく 他人の心にある鬱への悪いイメージで 恥や うしろめたさ 友人の顔に現れる非難の表情 廊下で あいつは弱いとささやかれ 頭がおかしいと言われること これが助けを求めることの妨げになります。これが原因で我慢したり 隠したりするんです。悪いイメージがそうさせるんです。病気のことを隠してしまう。毎日 ベッドから出られなくて どんなに それを埋めようとしても人生が空っぽに思えて 隠してしまうんです。鬱に対して ― 社会的不名誉という事実があるからです。間違いない事実です。違うと思われる方は フェイスブックの近況報告で ベッドから出られないのは 背中が痛いのではなく 鬱で 毎朝ベッドから出るのが辛いからだ なんて書き込めますか? これが悪いイメージです。残念なことに 私たちの世の中では腕の骨を骨折すれば ギプスにメッセージをもらえますが 鬱だと告白すれば皆が逃げていきます。これが 悪いイメージです。私たちは 身体の病気には非常に寛容ですが 精神となると違います全くの無知です。純粋な無知こそが 鬱や心の病気を受け入れない 世界を作っています。私には これが皮肉な状況に見えます。鬱とは 世界中で最も診断されている病の1つにも関わらず ほとんど議論されないから うつ病は 隅に追いやられてしまう。知らないふりをして自ら治癒してくれるのを待つだけです。

 

8 解決の第一歩は問題があることを認めること

この病気は 治っていません。これからも治りません。彼らが そう望んでいるだけです。計画も無く先延ばしにしているだけですし こんな重大な問題を先延ばしにしてはいけません。どんな問題でも解決の第一歩とは 問題があることを認めること。まだ できていませんよね。話し合いを恐れていたら答えなんか見つけられません。

 

9 正直になれば人は皆、困難に陥り苦しんでいることがわかる

私には解決方法も分かりません。分かっていたら良いんですが分かりません…でも だからこそここから始めなくてはいけないんだと思います。私から 皆さんから始めましょう。苦しんでいる人々から始めなければいけない。影に隠れている人々です。立ち上がって 沈黙を破りましょう。信じるもののために勇気を出しましょう。なぜなら 私が学んだ事が1つあるとすれば 最も大きな問題としてあげるなら 他者のことを理解しない世界を 構築してはいけません。自分を受け入れることを教えて自分らしく生きられる世界が必要です。正直になれば 人は皆 困難に陥り苦しんでいることが分かるでしょう。鬱にしても別のことにしても 傷つく気持ちは分かりますよね。心に傷を持つことがどんなことか分かります。そして 癒しがどんなに重要か知っています。でも 鬱とは現代社会の 深い傷であるにも関わらず バンドエイドを貼ることで満足して見て見ぬ振りをする。

 

10 完璧な人なんていない。それで良い

問題はありますよ。でも それで良いんです。鬱を患っていても大丈夫。もし苦しんでいる方は 大丈夫だと分かってほしい。あなたは病んでいるけど弱くない。問題だけどあなた自身ではない。なぜなら 他人への恐怖 嘲笑 批判 悪いイメージを乗り越えられたら 鬱の正体が分かりますよ。人生の一部なんです。人生の一部というだけです。私は 鬱によって陥った人生で 大嫌いな部分があると同時に 多くの面でこの病気に感謝しています。もちろん 病で谷底に転落しましたが 山頂を見せてくれるためだった。暗闇に追い込まれましたが 光を見るのに必要でした。19年の人生で何よりもつらいこの苦しみは 新しい見方をもたらしてくれました。そして 心の痛みは希望を持つことを教えてくれた。希望と信頼、自らを信頼すること 他者を信頼すること。この状況を変えて 良くなるという信念声に出すこと。声に出して無知と戦うこと。不寛容と戦うこと。そして何より 自分たちを愛することを学ぶこと。本当の自分を受け入れること。周りの人が期待する姿ではなくありのままの自分でいることです。私が信じる世界とは 自分が「陽」であることは「陰」を無視することではなく 逆境を無視するのではなく それを乗り越える力で評価されるべきと信じています。私が信じる世界とは誰かの目を見て 「地獄を体験している」と話したら 見つめ返して「私もだ」と言ってくれる世界 これで良いんです。鬱でも大丈夫 私たちは人間ですから悶えたり 苦しんだりします。血が出て 泣くこともあります。もし 真の強さとは 決して弱さを見せないことと思われていたら 間違っていると伝えたい。間違っています。反対なんですから。私たちは人間です。問題を抱えています。完璧な人なんていない。それで良いんです

 

11 無知を克服し、不寛容を止め、不名誉も払拭しましょう

無知を克服しましょう。不寛容を止めて不名誉も払拭しましょう。そして 沈黙を打ち破るんです。タブーを取り払いましょう。真実を見て話し合いを始めましょう。なぜなら 1人で戦っている問題の 唯一の解決方法とは 一緒になって戦うこと。皆で結束するんです。私は できると信じます。そう信じています。みんなありがとう。夢が叶いました。ありがとう、ありがとう(拍手)

 

最後に

すべてが上手く行っているときに悲しくなるのが本当のうつ病。解決の第一歩は問題があることを認めること。無知を克服し、不寛容を止め、不名誉も払拭しよう

和訳してくださった Mari Arimitsu 氏、レビューしてくださった Hikari Sakai 氏に感謝する(2013年5月)。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>