前回は、金利の低下は株価と地価を上昇させる 金利と資産の価格についてまとめた。ここでは、貸借取引や金融商品からの派生取引 デリバティブとリスクの移転について解説する。
1 金利スワップの機能
金利スワップの仕組み
金利スワップとは調達金利を交換することである。具体的には、固定金利から変動金利に変更することと、その逆の行為である。金利スワップは、借入元本はそのままにして、支払金利だけが切り離されて交換される点に特徴がある。それぞれの貸借取引から派生した取引なので、派生的金融取引(デリバティブ)と呼ぶ。
2 先物取引の機能
先物取引とは
先物取引とは、将来の特定の日に、何を、どれだけ、いくらで売買するかという契約を現在しておき、特定の日以前に反対売買するか、特定の日に契約を履行するかいずれかによって決済する取引をいう。金融先物も現物の金融商品から派生した商品なので、デリバティブの1つである。
先物投機
先物売り(買い)投機は、現物価格が将来、先物価格より低く(高く)なれば利益が得られるが、高く(低く)なると損失を被るものである。
先物によるヘッジ
先物によるリスク回避(ヘッジ)は、企業の先物買いに先物売りで応ずる先物投機家が存在することによって行われる。
3 オプションの機能
コール・オプションの仕組み
オプションには債券やユーロ円金利などの金融先物オプション、日経平均やTOPIXなどの株価指数オプションなどがあり、これらのオプションも原証券である株式から派生した派生的金融商品である。オプションにはコール・オプションとプット・オプションの2つがあるが、ここでは株価指数を例にとってコール・オプションについて説明する。株式のコール・オプションとは、特定の普通株式または株価指数を、特定の期日またはそれ以前に、一定の価格で一定の枚数だけ買うことができる権利をその所有者に与える契約である。
最後に
金利スワップとは調達金利を交換すること。先物取引とは、将来の特定の日に、何を、どれだけ、いくらで売買するかという契約を現在しておき、特定の日以前に反対売買するか、特定の日に契約を履行するかいずれかによって決済する取引。株式のコール・オプションとは、特定の普通株式または株価指数を、特定の期日またはそれ以前に、一定の価格で一定の枚数だけ買うことができる権利をその所有者に与える契約。デリバティブの目的はリスクの移転。
次回は、金融規制とその問題点 金融ビッグバンと金融システムの安定化についてまとめる。
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