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ジェフリー・カナダ 破綻していく学校 – もうたくさんだ!

「なぜ我々の教育システムは50年前と少しも変わっていないんでしょう?依然、何百万人もの子どもが落第しています」ジェフリーは語りかける。ここでは、110万ビューを超える Geoffrey Canada のTED講演を訳し、より多くの子どもたちの能力を伸ばすための教育支援について理解する。

要約

なぜ、一体全体どうして、我々の教育システムは50年前と少しも変わっていないんでしょう?当時、何百万人もの子どもが落第していました。今も同じ状況です。それは教育業界が、全く効果がない事業計画にしがみついているからにほかなりません。教育支援者のジェフリー・カナダは、データを活用できるようなシステム作り、受益者目線の対応、そして構造的な変革を大胆に提唱します。より多くの子ども達が能力を伸ばせるように。

Geoffrey Canada has spent decades as head of the Harlem Children’s Zone, which supports kids from birth through college in order to break the cycle of poverty.

 

1 数百万人もの子ども達が不必要に落ちこぼれていく運営プラン

今日は少し 緊張しています。妻のイヴォンに言われまして 「ねえ あなた TED観たことあるわよねぇ」「もちろん TEDは大好きだよ」すると妻は「ほら あの人達ってとても頭が良くて才能があって…」「分かってる 分かってるって」(笑)でも妻は更に「だから “怒れる黒人男”が登場したところで…」 (笑)だから言いました「大丈夫 ちゃんとするから - うん ちゃんとする」 でもやっぱり私は 怒っています(笑) 前回見たときは -(拍手) 気持ちが高揚している一方怒りをもって今日ここに来た理由はこうです。今年 数百万人もの子ども達が 不必要に 落ちこぼれていきます。こうしてる間にも彼ら全員を救うことが出来たというのに。ここに登場した 優秀な教育者達を見たでしょう。 彼らにすら そうした子ども達を救うのは無理だなんて 言わないでください。そんな筈ないんですから 絶対に可能です。ではなぜ 改善されないんでしょうか? 我々教育に携わる人間が運営プラン にとらわれて どれだけ多くの子どもたちが落ちこぼれようと気にもせず うまくいかなかったやり方をそのまま続けてきたからです。そして皆それを当たり前だと思っている違いますか? 「いい加減たくさんだ」何度言ったことでしょう。全く無意味な運営プランとはこういうことです。

 

2 要するに毎年毎年同じことの繰り返し

私は大都市の中心部で育ちました。56年前に最初に学校に通いだした当時 落第していく生徒を抱えていた学校は 56年後の今日も お粗末な状態です。56年ですよ お粗末な学校って どんなだか分かります? ワインとは違います。でしょう?(笑) “1987年は当たり年だった”なんて言わないでしょ? そういうことなんです。要するに毎年毎年 ― 同じことの繰り返し。違いますか? こちらワンサイズです。合えば良いのですが合わなかったら ― 運が悪かったただ運が悪かっただけ。なぜ我々は 改革を促してこなかったんでしょうか? これ以上 何も出来なかった筈はありませんよね。

 

3 かつて銀行の営業時間は朝10時から午後3時だった

いいですか 50年もの間落第生を出してきた学校に行って 「さて どうするつもりですか?」 と聞くと 「そうですね。今年度は ― 昨年度と同じことをします」 と言う。そんな事業計画 世の中どこにありますか? かつて銀行の営業時間は朝の10時から午後3時でした。10時から3時です。昼休みはクローズ 10時から3時の間に 誰が銀行に行けますか?仕事を持たない人達でしょう。彼らに銀行なんて必要ありません。預けるお金が無いんだから。誰がそんなビジネスモデルを作ったんですか?でしょ? そんな状態が何十年も続いたんです。なぜなら 彼らはお構いなしだったから お客なんて どうでもよかった。行員のほうが大事。だから自分達にとって都合の良い仕組みを作ったんです。仕事中にどうやって 銀行に行けっていうんですか?知ったこっちゃなかった。私 ジェフが銀行に行けずイライラしようが 関係なかったんです。嫌なら他に行けば? でもどこも一緒でしょ? そしてある日ちょっとクレージーな行員が思いついた。みんなが仕事帰りに 銀行に行けるようにしたら 結構ウケるかも。土曜営業なんて どうだろう? 何か新たな技術を 導入してみるとか?

 

4 技術は変化を遂げ、世の中も変わったが…

さて 私は新しいもの好きです。でも正直言って 少し 年がいってます。ちょっとウトくて 技術の力を信じていませんでした。だから 最初にあの妙な機械が登場した時 ― カードを入れると現金が出てくる あれ ― 「機械が正確に札を数えられる訳ないだろう ― 絶対に使うもんか」 そう思ったもんです。技術は変化を遂げ 世の中も変わりました。でも教育の分野は変わらない。なぜでしょう? なぜ 電話機がダイヤル式だったり 人々がポリオで手足が不自由になった時代と 全く同じやり方で いまだに教えているんでしょうか? もし何か 違う方法を思いついたところで 周囲からは ”急進派”のレッテルを貼られます。悪口雑言を浴びせられるでしょう。もし科学によって ― 私ではなく 科学的な研究によって最も貧しい家庭の子ども達は 夏の間に落ちこぼれていく と示唆されたら ― 6月の時点では よしまだ大丈夫。でも9月になったら 落ちこぼれていた。あれま!これは1975年にハーバードで 教育を学んだ当時聞いたんですが 「スゲえ これは重要な研究だ」そう思いました。だって 何とかしなきゃいけないって指摘してる訳だから (笑) 10年毎に同じ研究が行われてますが 毎回 全く同じ結果を示します: 貧しい家庭の子ども達は夏の間に落ちこぼれていく。今の仕組みが 夏は開校できないようにしてるんです。

 

5 1840年代には年間を通じて開校している学校があった

いつも不思議なんですが誰がそんな決まりを作るんでしょう? 何年もの間 私が ―ほら ハーバードに行ったんだから 何かしら 学んだと思った訳です。農民の暦に起因してるそうです。かつて人々は… でも辻褄が合わない。意味が分からない。全く分からない。なぜなら 誰だって知ってる筈です。農業を営むなら 7月や8月に作付けしたりしない。やるのは春でしょう? じゃあ 一体誰がそんなことを思いついたんでしょうか?誰の意見なんでしょう? 何でそんなことをしたんでしょう? 実際1840年代には 年間を通じて 開校している学校があったそうです。なぜかというと ― 多くの人々は 一日中働かなきゃならなかった。その間 他に子ども達の居場所が無かった。学校があればよかったわけです。という訳で これは教育の神の 定めによるものでも 何でもないんです。

 

6 変わらないのは我々の業界が科学の利用を拒んだから

なら どうして? なぜ? 我々の業界が 科学の利用を拒んだからです。科学です。ビル・ゲイツがやって来て言う 「ほら出来たでしょ? みんな出来るんです」 このアメリカのどれだけの場所で変革が起こるのでしょう? ゼロです。ゼロ 二カ所はある?まあ ― そんな場所もあるでしょう。中には正しいことをする人々もいますから。我々 専門家は この状況を止めなくては。科学が明確に立証してるんですから。

 

7 言語は子ども達の脳の発達に重要な役割を果たす

皆さんご存知の通り 生まれて直ぐ 問題が始まります。ですよね?0歳から3歳が勝負 という考えです。イヴォンと私の間には 4人の子どもがいます。3人はすでに成人で 残る1人は15歳 それには色々事情がありまして (笑) 最初の子どもの時は妻も私も脳の発達に関する科学なんて 知りませんでした。生まれてからの3年間が いかに重要かなんて知る由もなかった。赤ん坊の脳に何が起こってるかなんて考えもしなかった。刺激と反応からなる言語が 子ども達の脳の発達に 重要な役割を果たすなんて 思いもよらなかった。そしてそれがわかった。今 何をしているか?何もしていません。富裕層の人々は知っています。知識層も分かってる。だから彼等の子ども達は有利です。貧しい人々は 見当もつかないってのに 我々は 全く救いの手を差し伸べようとはしない。でも事態が深刻だということはお分かりですね。

 

8 医療やスポーツやレクリエーションやアートに触れる機会を与える

では 3~4歳児対象の幼稚園はどうでしょう。子ども達にとって 大切ですよね。貧しい家庭の子ども達に 必要な経験です。いやいや 多くの場所ではそんな施設は存在しません。公共医療サービスは大切ですね。そうしたサービスを提供してるんですが いつもみんなにブツブツ文句を言われます。私は 責務やデータやその他の価値あることに 注力していますが公共医療サービスを提供するには 多額の資金を調達する必要があります。よく支援者にこう言われました 「ジェフ 何でこういったサービスを提供するんだ?」 当時はそれらしい事を適当に答えたもんです 「えっと それはですね ― 虫歯のある子どもは ほら ― 勉強もできないと言われてまして」 仕方なかったんです。資金を集めなきゃならなかった。でも歳を重ねた今は こう答えます。なぜ子ども達にそうした医療手当やスポーツや レクリエーションやアートに触れる機会を与えるかって? それは子どもが好きだからです。子どもが大好きだから(笑) (拍手)それでも納得しない強情な人にはこう言います 「貴方がご自分のお子さんにしてるのと同じことをしてるまでです」 ダンスのレッスンが子どもの代数学の力を伸ばす なんていう マサチューセッツ工科大学の研究論文を 読んだことがなくても 子どもにダンスを習わせる そして子どもがその気になると自分もうれしい。そしてそれで大満足では。なぜ貧困層の子ども達が 同じことをしちゃいけないんですか?それは子ども達の権利なんです (拍手)

 

9 何十億ドルものお金が役に立たないデータのために使われている

他にもまだあります 私は試験大好き人間です。我々にはデータが必要です。そして情報も なぜなら 何かに取り組んでいる時上手くいってるはずが 実際は そうじゃないと分かったり 要するに教育者の皆さんは よしこれで良いと 思う訳です。素晴らしいですよね。でも 実は理解されてなかったと分かる。でも試験にも問題があって 我々が行う試験は ― 来週ニューヨークでもやりますが ― 4月に実施される訳です。結果がいつ出るか ご存知ですか? たぶん7月か 或いは6月 その結果には 重要なデータが含まれています。例えば ”ラヒームはかなり遅れてる 二桁の掛け算ができていない” というような 有効なデータです。でもそれが手に入るのは学年度が修了した後です。その頃 皆さん 何してますか? 休暇の真っただ中でしょう(笑) そして休暇から戻ると 前年度の試験結果が届いている。そんなもん 見やしない。見る必要がありますか? 今年度がもう始まるっていうのに。こうしたことに どれだけのお金を使っているんでしょうか? 何十億ドルものお金が 役に立たないデータのために使われている。そのデータは9月に必要なんです。11月に使いたいんです。生徒が何を理解できないでいるのか。私の教え方が効果的だったかどうか知りたいんです。それも今週のうちに。学年末に知ったんでは遅すぎるんです。

 

11 教師は自分の生徒たちに今何が起きているのかという情報が必要

経験を積むにつれ まるで千里眼のようになりました。その学校の試験結果が予想できるんです。どんな学校でも結構です。大都市の中心部の伸び悩んでいる学校はより分かり易い。例えば 昨年度 その学校では48%の生徒が 学年相応のレベルだったとします 「では 何をする予定ですか?昨年から今年にかけて ― 何をしましたか?」 と聞くと 「同じことをやってます」 と返ってくる。では予言してみましょうか(笑) 今年度は だいたい44%から 52%の生徒が学年相応レベルに留まるでしょう。そして私の予測は一度として間違うことはありません。こうして多額のお金を注ぎ込んで 結果得られるものは? 教師は 自分の生徒たちに 今何が 起きているのか 真の情報が必要です。何とかできる 今がまさに一か八かの時です。

 

12 教育界の人間はイノベーションに怒りを感じている

他にも 懸念すべき 問題があると思います。ビジネスとしての教育のイノベーションを妨げることはできません。革新は重要です。そして教育界の人間はイノベーションに怒りを感じています。何か別のことをやろうとすると憤慨されます。何か新しいことを試そうとすると人々の反応は ― 「へぇ、特別認可学校」といった感じです。さあ 色々と試してみましょうよ。もう55年もやってきて 効果がないんだから 違うことをやりましょうで。そこで厄介なのは 試した結果 上手くいかないものもあります。すると「ああ 特別認可学校ね。大抵はダメだね」となる。多くのケースは失敗です。その場合は閉鎖されるべきでしょう。そう 閉鎖されるべきです。しかし科学を解き明かそうとすることと 上手くいかないからと何もしないことと混同してはならない でしょ?だって それじゃ世の中はまわりませんから。

 

13 失敗したとしても科学が前進するのをやめてはいけない

技術について置き換えてみると 同様に技術の分野で考えたとして 何か故障するたびに すぐに諦めて「もういいや」ってことになりますよね? 説得力がありました。ここにも大勢いると思いますが 最先端の電子手帳 ”パームパイロット” みんなに言われたもんです「ジェフ これさえあれば ― あとは何も要らないんだぜ」 アレがもったのは 3週間でしたね。それでおしまい。あんなもんに無駄金を使ったかと思うとムカムカしました。それで我々は発明をやめた?いいえ ― みんな果敢に開発を続けました。失敗したからと言って 科学が前進するのをやめてしまってはいけないんです。

 

14 子ども達にあらゆる機会を与えないといけない

我々 教育者の仕事には 明らかに 我々に出来るものがありますね。しっかりやりましょう。たとえば 成績の評価は子どもが小さいうちから始めないと そしてきちんとサポートしていかないといけない。子ども達に あらゆる機会を与えないといけないんです。それが大切です。でもイノベーションを続け ― きちんとできるまでイノベーションを 続けるという考え方 それは絶対に重要です。ちなみにこれは 教育分野全体の課題になるでしょう。アメリカは現状を正すのに更に50年もの時間を費やすことは出来ません。もう時間がないんです ”財政の崖” と言われてもピンときませんが今この瞬間我々はまさに 教育の崖っぷちを歩いているんです。もし「そんな余裕はない」なんて戯言を 今後も受け容れると ― ビル・ゲイツは 50億ドルかかると言いましたが アメリカにとって 50億ドルって? 今年アフガニスタンで いくら使ったんでしたっけ? いったい何兆ドル?(拍手)

 

15 安全保障に一番必要なのは次の世代に世界のリーダーになる準備をさせること

国が何かの対策に乗り出すとき 瞬く間に何兆ドルという資金が投入されます。国家の安全が脅かされると 使う金額に糸目はありません。この国の安全保障に 一番必要なのは 次の世代を 我々に取って代わり 思想や技術 民主主義その他 重要な分野で世界のリーダーとなるべく 準備させることです。恐らく ほんの微々たること微々たることです。我々が こうした問題の解決に 本格的に乗り出すために必要なのは…いよいよそんな時がきたら私の怒りも静まるでしょう(笑) そうなれるよう みんな力を貸して下さい。ありがとうございました。ありがとう (拍手)

 

16 ハーレム・チルドレン・ゾーンの高校中退率は?

ハーレム・チルドレン・ゾーンの高校中退率はどの位ですか? そうですね。ジョン 昨年度は うちの生徒達全員が 高校を卒業しました。そして全員が 大学に進学しました。今年度も全員が 卒業する見込みです。そしてそのうち 93%の学生の大学進学が決まったそうなので あとは 残る7%に注力することになる。そういったところです(拍手)

 

17 高校卒業後は彼等とはどんな関係を築いていく?

高校卒業後は 彼等とはどんな関係を築いていくんですか? ご存知の通り この国が抱える問題の一つは こうした子ども達 無防備な子供達が ようやく学校に入った後 記録的な数で中退しているということです。そこで しっかりした支援ネットワークを構築して あらゆる面で ちゃんとした親御さんの 接し方を真似しなくては ということになったんです。そういう親御さんは うるさくないですか? 「成績表を見せて この前のテストはどうだった? 学校をやめたい?何言ってんの! そんなことしたら 家に入れないわよ」 同様に うちの教育特区の子ども達の多くはそんなことしたら ハーレムに帰れない。だってジェフが見張ってるからそう分かっています 「マジやばい」と思っています。ダメです。ちゃんと学校に行かなきゃ 決して冗談じゃありません。あとは ヘコタレない根性にも係ってきますけどね。子どもは そうやすやすと落第させて貰えないと分かると 違った意味でプレッシャーを感じます。そして簡単には諦めなくなります。そもそも そういう自覚がない場合もありますが 「てか、本当は嫌なんだけど ― ほら、母親がうるさいからさ」という具合です。それは子どもにとっては 大切なことで様々な局面を乗り越える助けになります。今 個別指導やその他 必要な支援を 受けられるような戦略的な仕組み作りと共に 「君ならできる。結構きついけど落第させはしないよ」と 激励をおくる方法を模索しています。 Dr.カナダ ありがとうございました。皆さん もう一度盛大な拍手を(拍手)

最後に

数百万人もの子ども達が不必要に落ちこぼれていく運営プラン変わらないのは教育業界が科学の利用を拒んだから。言語は子ども達の脳の発達に重要な役割を果たす。何十億ドルものお金が役に立たないデータのために使われている。教師は自分の生徒たちに今何が起きているのかという情報が必要。子ども達にあらゆる機会を与えよう

和訳してくださった hiroyo okajima 氏、レビューしてくださった Misaki Sato 氏に感謝する(2013年5月)。

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