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ブレンダ・ブレスワイト 理解するための手段としてのゲーム

「ゲームは物の見方を変え、自分自身をも変える力を持っているのです」ブレンダは語りかける。ここでは、35万ビューを超える Brenda Romero のTED講演を訳し、理解するための手段としてのゲームについて理解する。

要約

複雑な悲劇を、人に伝えるのは簡単ではありません。娘が学校から帰ってきて奴隷制について尋ねた時、ゲームのデザイナー、ブレンダ・ブレスワイトは仕事でやっていることを家でやってみました。物語を理解させる事でゲームがもたらした驚くべき効果などについてTEDxPhoenixで語ります。(TEDxPhoenix)

Brenda Romero designs games that turn some of history’s most tragic lessons into interactive, emotional experiences.

 

1 ゲームというと様々なことが頭に浮かぶ

ゲームというと様々な事が頭に浮かびます。イライラさせられたり 発売日が待ち切れなかったり 夜遅くまで夢中になったり[ゲームって? ] 私もそうでした。でもゲーム自体には いろいろあります。ファーストパーソン・シューティングゲームや 大規模なAAAゲーム Facebookのゲームもありますね。これは私がパートナーと作ったもの 皆さんのやるようなFacebookのゲームを 製作しています。これは軽い種のゲームです。またはひどく退屈なボードゲーム 祝日に親戚で集まった時にやらされるようなタイプのね。これはそのひどく退屈なボードゲームの1つかもしれませんね。もしくはリビングルームで 子ども達とWiiや何かで遊ぶかも知れません。このように幅広い種類のゲームが存在し 私は いつもゲームのことを考え ゲームを仕事としています。幸運にも15歳の時からですから きちんとした仕事についたことはないわけです。

 

2 オリンピックでアメリカがロシアに勝った瞬間

通常ゲームと言うと 娯楽ですが このことについて考えてみましょう。これは1980年のオリンピックです 皆さんがどこに居たか知りませんが 私はリビングに居ました。あれは奇跡的なイベントでした。これはアメリカがロシアに勝った瞬間です。もちろん ホッケーは実質上は ゲームです。しかしこの試合は単なるゲームと言えるでしょうか? 皆 感動して泣きました。母がモノポリーを終えて あんな風に泣いたのは見たことがありません。これには本当に驚きました。

 

3 「レッドソックスが優勝したからもう死んでもいい」

ボストンから来た人はいますか? ボストン・レッドソックスがワールドシリーズを制覇した時 確か351年ぶりでしたかね。勝利の結果、街中熱狂的ですごかった。偶然スプリングフィールドに居たのですが 傑作だったのは- 女子トイレのドアを閉めたら「頑張れソックス!」とあって「ありえない!」とびっくりしました。近所全体もです。家の外に出てみると 確か試合は延長戦ばかりで 外に出てみるとどの家も明かりがついているんです。近所中です。学校の出席率も下がったとか 学校を休んでしまう子も多かった。でも良いんですレッドソックスだから。学校も大切だけどレッドソックスも大切 どちらが上かわかりますね。びっくりする経験でした。これも単なるゲームですがそう新聞に書かれたり 誰も言わなかった皆こう感じていたのです 「レッドソックスが優勝したからもう死んでもいい」と。ゲームとは 私達にとって何かもっと大きなものです。本当にもっと大きい何かです。

 

4 写真家のジグ・ジャクソン

ある日 思いがけない変化がありました。実は3年間きちんとした仕事をしていました。大学で主任教授になり ゲームを教えてまあ きちんとした仕事です。実際にゲーム作るのではなく 作ることについて教えました。ディナーにも行きました。主任の仕事ですね。食べることは 得意でした。この ジグ・ジャクソンという人とそんなディナーで会って この写真がジグです。本人の写真です。彼は写真家です。カメラを持って国中を回り 自分自身の写真を撮るのですがご覧のように 『ジグのインディアン居留地』とするのです。この写真は一般的なものですね。レインダンサーです。

 

5 「人種侮蔑」シリーズの1枚

これは私のお気に入りの一枚 この手ものはよくあります。文化を表現したものですね。実は 彼の「人種侮蔑」シリーズの一枚なのです。このシリーズで私が興味を引かれたことは この男の子を見て下さい。ここではネイティブアメリカンですが 彼の人種を変え 黒人の男性だとして 「そこに行って黒人のおじさんと 写真を撮るから」と。誰がしますかするわけありません。不思議なものです。ジグ自身ももインディアンなので 不思議に思っていました。彼のお気に入りの一枚は 私のお気に入り。持ってきてはいませんが 白人がインディアンの写真を撮っていて その姿がインディアンに撮られているというもの(笑)

 

6 私達ゲーム業界は楽しいものを作る

偶然ジグと食事で一緒になった時ですが 彼は別の写真家と 銃撃戦について話をしていました。インディアン居留地で起こったものです。カメラを手に現地に行きましたが どうしても写真を撮れませんでした。彼らはこの様な写真を撮るべきかどうかを 議論していました。ゲームデザイナーとして興味深い問題です。難しいトピックのゲームを作るべきかどうかなんて考えたこともありません。私達は楽しいものを作るのです[ ゲーム業界以外どのメディアも難しい問題を扱う ] 恐怖ものもあるけれど それは刺激的だから。でも他のメディアは違いますね。

 

7 「奴隷貿易について習ったの」

これは私の娘 メイザです。ある日 7歳の時ですが 学校から帰ってきて いつものように聞きました「今日は何習ったの?」「奴隷貿易について習ったの」と言うのです。ついにこの時がきました。メイザの父親は黒人なのです。いつかは来ると分かっていましたが予想はしていませんでしたね。それが7歳の時だとは「それってどう思う?」と訊いてみると彼女は話し始めました。お子さんのいる方は ここで出てくる言葉を予想できるでしょう 「お船がイギリスを出て アフリカへ向かい 海をわたって - ここが奴隷貿易の説明です - アメリカに着いて奴隷が売られたの。でもエイブラハム・リンカーンが大統領になって 奴隷解放宣言をしたから彼らはもう自由なのよ」

10秒ほど沈黙があり「ゲームしていい?」え?それだけ?と思いましたよ。奴隷貿易はとても重要な出来事なのに 彼女は まるで黒人の人たちが クルーズに出たかのように 考えているのです(笑) 私としてはもっと重きを置いて欲しかったので[「マジで?」と思いつつ 何も言わない ] 娘がゲームをしていいか聞いてきた時 言いました「いいわよ」(笑)

 

8 「本当にこんなことがあったの?」

たまたまゲーム用の駒を沢山持っていました。ゲームデザイナーなのでこのようなものが家にあるのです 「ゲームしていいわよ」と答え 駒に色付けさせました。これがその時の写真です。見ると未だに胸が熱くなります。彼女が小さな家族たちに色付けをしています。これを私が適当に掴んでボートに乗せるわけです。これがボートです。あっという間に出来ました(笑) 私が無造作に家族のメンバーを掴むと[ ルール ・ 海を渡るにはサイコロを10回振る ] 「ママ、ピンクの赤ちゃん忘れてるわよ[ ・ 手持ちの食料は30個 ] 青いお父さんも 全部忘れてるじゃない[ ・ サイコロを振る度に 出た目の数の食料を使う] 皆行きたいのに」と言うので[ ・ サイコロを振る度に 出た目の数の食料を使う] 「誰も行きたくないのよ」と言いました。[ ・ サイコロを振る度に 出た目の数の食料を使う] 「奴隷船には誰も乗りたくないの」 彼女はゲームデザイナーの娘 独特の目で 私を見つめました。ルールに従って海を渡っている途中 物が足りなくなってきたことに気付き 「これじゃ無理だわ」と言いました。十分な食料が無いことが分かり どうしたら良いか聞いてきたので 「そうね」-7歳の娘相手に 「何人か海に投げ入れるか、私達が 海の向こうへ無事着ける様 祈るしかないわね」 その時の彼女の表情は忘れません。彼女は言いました - これは 1ヶ月間 黒人歴史月間でいろいろ習った結果ですよ。月の終わりだというのに 彼女が言うには「本当にこんなことがあったの?」 「そうよ」と言うと「じゃあ もし私が無事に着いても - これは弟と妹ですが- アバロンとドノバンは居なかったかもしれないの?」「そうね」 「でもアメリカで会えたでしょう?」「いいえ」 「でも もし会えてたなら?一緒に住めない?」「無理よ」 「パパも居なかったかもしれない?」「そう」 感極まって娘は泣き出しました。私も泣きました。彼女の父親も皆で泣きました。父親は仕事から帰宅したら 奴隷船に乗せられていてびっくりしたようですが(笑)

 

9 信じられないくらいパワフルな経験

ゲームで遊んだので わかったんです。登場人物と一緒に過ごしたから理解したのです。パンフレットや映画の中の抽象的なものではありません。信じられないくらいパワフルな経験なのです。これがそのゲームです。タイトルは 新世界という名前ですが 奴隷船で連れて来られた人達にとっては 新世界なんて輝くものではなかったでしょう。でもこの経験から 全世界が見えたのです。興奮しました。ゲームを作り始めて 20数年ですがもう一度やってみようと決心しました。私のルーツはアイルランドです『シオカン・ラット:あなたに平和を』というゲームには 私の一族の歴史が詰まっています。

『トレイン』というゲームもあります。6つのゲームでシリーズ化していて 難しいトピックを扱うシリーズから 絶対に外せないものです。扱っている問題が何であるかご自分で確かめてみて下さい。インディアン強制移住「涙の道」についてのゲームもあります。50,000人のピースを使うのですよ。大変な仕事ですが 現在製作中です。同じことなんです。ゲームを通して文化を教えたいのです。

 

10 ゲームは物の見方を変え、自分自身をも変える

現在製作中のゲーム 今作ってて - また泣いてしまいそうです。『メキシカン・キッチン・ワーカーズ』は 最初はどちらかと言うとちょっとした算数の問題で 不法移民の及ぼす経済的影響についてなどでした。そして メキシコ文化について学ぶにつれ - パートナーがメキシコ人ですが - 食べ物は私達全てにとって基本的ニーズですね。でもメキシコ人にとってはそれ以上のものだと分かったんです。愛の表現なのです。いやだ、本当に泣き出してしまいそうだわ。写真に目を向けられない 美の表現。どれだけ愛しているかを示すもの -愛を伝える手段誰もがメキシコのおばあちゃんの話になると まず第一に「食事」のことに触れるのです。私にとって この美しい文化や美しい表現 それこそがゲームで取り上げたいものなのです。

ゲームはまた物の見方を変えます。トピックの中の人たちに対する見方も変えます。そして自分自身をも変えるのです。ゲームを通して人々が変わるのは 皆が実際に問題に関わり そして学ぶからです。ありがとう(拍手)

 

最後に

「レッドソックスが優勝したからもう死んでもいい」「奴隷貿易について習ったの…ゲームしていい?」「本当にこんなことがあったの?」信じられないくらいパワフルな経験。ゲームを通して文化を教えたい。ゲームは物の見方を変え、自分自身をも変える

和訳してくださった Yuriko Hida 氏、レビューしてくださった Reiko O Bovee 氏に感謝する(2011年11月)。

ゲーミフィケーション ―<ゲーム>がビジネスを変える (あ)


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