前回は、ウィニー裁判が止める技術革新と市場原理による統制 日本の法律についてまとめた。ここでは、ヒエラルキー構造がない完全フラットな場所 メディアと2ちゃんねるについて解説する。
2ちゃんねらーの高齢化
2ちゃんねらーは2000年当時で、既に平均ユーザー年齢は30代。つまり、今は30代から40代が利用していると思われる。ただし、2ちゃんねるには使っている人がおもしろければそれでいいという考えがあるため、特に気にしてはいない。
西村博之のニュース性
西村博之はインターネットを使っている人には多少の認知度はあるが、一般的には無名の存在である。そもそも2ちゃんねるがあることで、何も影響がないことに気づいてきているのではないだろうか。
インターネット事件のカラクリ
インターネット事件のカラクリは、以前に比べてインターネットから現実に問題が波及することが多くなってきたことである。それは、1990年代はパソコン通信を使っていたのは約300万人だったが、現在は携帯電話まで含めると7000万人から8000万人はいるからだろう。また、インターネット上の情報を既存メディアが報道することで、現実とインターネットの出来事がつながってしまうことも多い。量子力学の「対象を観察すると痕跡が残る」ことと似たような原理があるのだ。
新聞より2ちゃんねるを信用する人々
最近ではインターネットから情報を得られるようになったことで、新聞に書かれていることよりも2ちゃんねるを信用する人がいる。これは、今まで新聞やテレビが伝える情報は正しいという価値観があった反動ではないだろうか。宗教に騙されたから悪徳商法に行くのに似ている。
集合知を疑え
今まではリテラシーが低くても新聞さえ読んでいれば、100のうち95は正しいという安心感が持てた。しかし、2ちゃんねるは100のうち下手すれば10しか正しいことが書かれていないことがある。そうすると、その正しい10を見分ける力を持てるかどうかになるが、多くの人は持てないのだろう。あるブロガーがいうように「ガリレオ・ガリレイの時代に集合知があっても、地球が回っていることにはならなかった」のと同じ原理で、集合知が正しいわけではないことも起きるのだ。
管理人を続ける理由
著者が管理人を続ける理由は、継続するよりも手放すほうが大変だからである。大好きなゲームができない生活にならないためにも、2ちゃんねるの管理人は続けているのだ。
スーパーフラット2ちゃんねる
2ちゃんねるは、全員が匿名言論でものを言い、ヒエラルキー構造が作られない完全フラットな場所である。スラッシュドットにしてもはてなブックマークにしても、情報を誰かが操作するという意味ではヒエラルキー構造がある。ヒエラルキー構造によって質の高い情報を拾い上げることもできるが、そうしたことをしないことが2ちゃんねるの価値なのだ。
最後に
2ちゃんねらーの平均ユーザー年齢は40代程度。インターネットと現実がリンクし始めたのは、使用人口の増加とメディアの報道が原因。集合知を疑う精神が2ちゃんねるにある。2ちゃんねるはヒエラルキー構造が作られない完全フラットな場所である。スーパーフラットな市場原理の言論場。
次回は、優秀な技術者は優秀な経営者なのか 小飼弾×ひろゆきについてまとめる。
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