learn-from-kids

アドーラ・スヴィタク 「大人は子どもから何を学べるか」

私は「子どもっぽい」と言われることに本当にうんざりしています。当時12歳のスヴィタクは、年齢差別的な言葉を批判する。ここでは、220万ビューを超えるAdora SvitakのTED講演を訳し、子どもから学ぶ必要性を訴える。

要約

神童アドーラ・スヴィタクは、世界には「子どもっぽい」考え方が必要だと言います。大胆なアイデア、奔放な創造力、そして何よりも楽観的であること。子どもたちの大きな夢は高い期待を受けるにふさわしいものであり、大人は子どもに教えるのと同じくらいに、子どもからも学ぶようにしてほしいと彼女は言います。

A prolific short story writer and blogger since age seven, Adora Svitak (now 12) speaks around the United States to adults and children as an advocate for literacy.

 

1 「子どもっぽい」と最後に言われたのはいつ?

最初に質問があります 。「子どもっぽい」と最後に言われたのはいつのことですか? 私なんかは 「子どもっぽい」ことはよしなさいと、しょっちゅう言われます。何か道理に合わない要求をしているときとか、無責任な行動を取ったときとか そのほか何であれ 普通に アメリカ人らしいことをすると 「子どもっぽい」と言われます。本当にうんざりです。世界の問題を考えてみてください。帝国主義に 植民地支配 世界大戦に ジョージ W ブッシュ 一体誰のせいでしょうか? 大人たちです。

 

2 じゃあ子どもは何をしてきたの?

一方で子どもたちは何をしてきたでしょうか? アンネ フランクはホロコーストのことを 力強い文章で伝え 何百万という人の心を動かしました。ルビィ ブリッジスはアメリカから人種差別をなくす力になりました。もっと最近では チャーリー シンプソンが ハイチのため 小さな自転車に乗って 12万ポンドも募金を集めました。このような証拠を見れば 年齢なんか関係ないことがわかります。「子どもっぽい」と非難される振る舞いは 大人にこそよく見受けられます。この年齢差別的な言葉を、無責任さや不合理な考えを持つ 振る舞いを批判するときに使うのはやめるべきです。(拍手)ありがとうございます。

 

3 何かを実現しようと思ったら、まずは夢見る必要がある

一方で 世界には ある種の不合理な考えが 必要かもしれません。昔は大きな構想を持っていたのに 自分で捨ててはいませんか? 不可能だとか お金がかかり過ぎるとか、自分の得にならないと考えて。いいにせよ悪いにせよ、私たち子どもは やるべきでない理由を考えて 思いとどまったりはしません。子どもはワクワクするような憧れや 希望に満ちた考えでいっぱいです。誰も飢えることのない世界や すべてが無料というユートピアを夢見ます。皆さんの中で まだそんな夢を持ち 可能性を信じている人は どれくらいいるでしょうか? 時に歴史の知識や ユートピア的な理想の失敗事例が 足かせとなることもあります。全てが無料になったら 食料の蓄えがなくなって飢饉になり 混乱状態に陥るかもしれません。一方 私たち子どもは まだ完全な世界を夢見ています。それはいいことです。何かを実現しようと思ったら まずそれを夢見る必要があるからです

 

4 ワシントン州万歳!

多くの点で 私たちの大胆な想像力は 可能性の地平を広げる助けになります。例えば、ワシントン州タコマにあるガラスの博物館です。私の故郷です。ワシントン州万歳! (拍手) 「子どものためのガラスデザイン」では 子どもたちがガラス工芸のアイデアを描きます。そこのガラス作家は このプログラムから 最高のアイデアが得られたと言っています。ガラスを吹いてある形にするのが どれほど難しいか子どもたちは考えません。ただ素敵なアイデアについて考えます。皆さんはガラス細工というと カラフルなチフーリの作品や イタリア製の花瓶なんかを 思い浮かべるかもしれません。でも子どもたちはガラス作家に それ以上のことを求めます。これは「心傷ついたヘビ」と 「ミート光線を出すベーコンボーイ」です (笑)。

 

5 大人と子どもの間の教育は相互的であるべき

私たち子どもに備わる知恵が 子ども限定の知識である必要はありません。子どもたちは大人から既に多くのことを学んでおり、伝えるべきこともたくさんあるのです。大人たちは子どもから学び始めるべきだと思います。私は学校関係の人を前に話すことが多いので このアナロジーは好きです。教室を仕切って ああしろ こうしろと言うのは 先生だけであるべきではありません。生徒だって先生を教えるべきなのです。大人と子どもの間の教育は 相互的であるべきです。現実は 残念ながら それとは違っており、信頼関係の欠如に大きな原因があります。

 

6 相手への信頼感と制限の強さは反比例する

人を信頼しないとき その相手を制限することになります。私が融資に対して設定した 10%の利息に対する 姉の支払い能力が疑わしければ、今の借金を返すまで 私はそれ以上の借金を認めないでしょう (笑) ちなみにこれは実話です。大人たちは一般に子どもに対して 制約的な態度を取ります。事細かに 「あれは駄目」「これは駄目」と 書かれた学校の手引き書から 学校でのインターネット利用まで すべてです。歴史が示す通り 管理に不安があるときほど 体制は圧政的になります。大人は 全体主義体制ほど 酷くはないかもしれませんが、ルール作りに関して 子どもには ほとんど発言権がありません。本当は相互的な態度が必要なのに 若い人たちが望むことを 大人たちは考慮に入れ 学ぶべきなのです。

 

7 制限より悪いのは過小評価

制限よりもっと悪いのは 大人たちが子どもの能力を過小評価することです。私たちは挑戦が好きですが、かけられる期待が低ければ 低いなりのことしかできなくなります。私の両親は 私や姉に低い期待をするなんて 決してありませんでした。医者になれとか 弁護士になれとか 言われたことはありませんが、父が読んでくれた本は アリストテレスとか 「病原菌と闘う人々」でした。他の子どもたちが聞いていたのは 「バスの車輪がくーるくる」だったのに 私たちも聞きましたけど 「病原菌と闘う人々」の方が断然素敵です (笑)

 

8 子ども向けの出版社が子どもとは仕事しないですって?

私は4歳の頃から書くのが好きで 6歳のときには母が Microsoft Wordが入った私用のノートパソコンを買ってくれました。ありがとう ママとビル ゲイツ。私はその小さなノートパソコンで 300篇以上の短編を書き、そして本にしたいと思うようになりました。両親は子どもが本を出したがるなんて 突拍子もないと笑ったり、大きくなるまで待ちなさいなんて言いません。とても力になってくれました。多くの出版社はあまり乗り気でなく、ある大きな子どもの本の出版社などは 皮肉なことに 「私たちは子どもとは仕事しません」と言いました。子ども向けの出版社が子どもとは仕事しないですって? 一番のお得意様をないがしろにしてはいませんか? (笑) アクション出版という出版社が 勇気を示して 私を信頼し、私が言いたかったことを聞いてくれました。そして出版されたのが 私の最初の本「空飛ぶ指」です。それ以降 何百という学校で講演し、何千という教育者を前に基調講演をし、そして今日 皆さんの前で講演しているのです。

 

9 子どもたちのために機会を作り出すことは必須

皆さんに聞いていただいてとても嬉しいです。本当に関心を示して 耳を傾けてくださいますから。しかし この子どもは大人よりずっとすばらしいという バラ色のストーリーには1つ大きな問題があります。子どもは成長して皆さんみたいな大人になるということです(笑)。でも ほんとに皆さんみたいになるのでしょうか? 目標は子どもたちが皆さんみたいな大人ではなく、もっと良い大人になるということですが、皆さんの業績を考えると 結構大変かもしれません。しかし進歩が起きるのは 新たな世代と新たな時代が成長し発展し、前の世代よりもっと優れたものになることによってです。私たちが暗黒時代にいないのはそれが理由です。皆さんが人生のどんな段階にいようと 子どもたちのために機会を作り出すことは必須です。そして子どもたちが成長して あなた方を吹き飛ばせるようにするのです(笑)

 

10 子どもたちから学び、信頼し、期待をかけよう

大人とTED仲間のみなさん、子どもたちに耳を傾けて学び、子どもを信頼し、もっと期待をかけてください。みなさんが今日耳を傾ける必要があるのは、私たち子どもが明日のリーダーだからです。年取ってもうろくした皆さんの 面倒を見るのは子どもたちです…冗談ですよ。私たちは次の世代であり、世界を前に押し進めます。もし自分には関係ないと思っている人がいるなら クローン技術のことを考えてください。そうしたら子ども時代をもう一度過ごすことになり、そのときは私たちの世代のように ちゃんと耳を傾けてほしいと思うでしょう。世界は新しいリーダーと新しいアイデアを 必要としています。子どもはリードし成功する機会を必要としています。皆さんは準備ができていますか? 世界の問題は 人類という家族の相続財産であるべきではないのですから。どうもありがとうございました (拍手) ありがとう ありがとう。

 

最後に

「年取ってもうろくした皆さんの面倒を見るのは子どもたちです…冗談です」なんてことを言い合える関係は素敵だ。我慢や義務感だけでなく、面倒を見たいと思われる存在になるよう努力しよう。年齢なんて関係ない

和訳してくださったYasushi Aoki 氏、レビューしてくださった Wataru Narita 氏に感謝する(2010年4月)。

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>