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トビー・シャプシャク アプリなんて必要ないさ

「アプリなんて要りません。モバイルさえあればね。真の発明はアフリカから生まれているんだ」トビーは語りかける。ここでは、120万ビューを超える Toby Shapshak のTED講演を訳し、アフリカのモバイル発明の最前線について理解する。

要約

果たして、一番スマートなのはシンプルな携帯か?各国では人々がSNSのアップデートや、スマートフォンのゲームに夢中になっている中、アフリカでは、ショートメッセージを利用した機能が日常生活に多いに役立っている事を、ジャーナリストのトビー・シャプシャクが語ります。この目からうろこのトークで彼は、アフリカのモバイル発明の最前線を紹介し、私達が持つ先入観にとらわれた「発明」の意味を問いかけます。

The publisher and editor of Stuff magazine, Toby Shapshak is a South African writer focusing on innovation — and the role it plays in Africa.

 

1 プリペイド方式はアフリカの会社Vodacomが生み出した技術

まず質問から始めます。挙手をお願いします。iPhoneをお持ちの方? アンドロイドをお持ちの方? BlackBerryをお持ちの方? BlackBerryユーザーであることを よく公言できますね (笑)では私のようにここに着いて プリペイドのSIMカードを購入した方は どれくらいおられます? いますよね。アフリカで生まれた技術を 使っている事とは知らなかったでしょうね。プリペイド方式はアフリカの会社 Vodacomが生み出した技術 アイディアです。15年も前にね。現在では フランチャイズと並び 世界の最も主要な 経済活動のひとつです。

 

2 世界の海運経済はアフリカのドロスの発明無しでは不可能

では アフリカの革新 発明について お話ししましょう。それは必要性から生まれる 真の発明です。まず いくつか質問させて下さい。今回は 挙手していただかなくて結構です。問いかけですから。なぜニコラ・テスラは 私達が住む 建物や街に明かりを灯す 交流電気を発明する必要があったのか?なぜヘンリー・フォード は黒色に限定した フォード車の生産ラインを 発案する必要があったのか?なぜエリック・メリフィールドはドロス を発明する必要があったのか? ポカンとしてますね。この様な物ですよ。背景に見えるのはロベン島です。これが小さいドロスです。みなさん ご存知ないようですが エリック・メリフィールドは とても著名な発明家です。1963年、南アフリカの小さな町イーストロンドンの 港を嵐がめちゃくちゃにしました。そんな中、彼は牛の骨でできた ドロスというおもちゃで遊ぶ子ども達を見て このアイディアを思いつきました。巨大な操り人形の取手ようですね。現在では世界中の港で防波堤として 使用されています。世界の海運経済は アフリカの このような発明無しでは不可能なのです。

 

3 問題解決術である真の発明はアフリカで生まれている

アフリカについて語るには この宇宙から見た地図が欠かせません。「見ろ、あの闇の大陸」 とみなさん思うでしょう。実際は 大間違い。これは発明の地図なのです。どこで発明が生まれているか 一目瞭然ですね。電気がいっぱいの場所 ではありませんよ (笑) (拍手) 発明の地ではない理由 それはみんな テレビを観て アングリーバードで 遊んでばっかりいるからです (笑)(拍手)発明はアフリカで生まれています。真の革新 発明です。新しい商品を売り出すために 「発明」という言葉を 乱用しているのとは 全く違います。真の発明とは ずばり 問題解決術であると私は考えます。アフリカの人々は 深刻な問題を解決しています。なぜって? 解決するほかないからです。やっかいな問題があるからです。そして アフリカの問題を解決するという事は 同時に 世界中の問題も 解決できるということです。

 

4 ケニアのGDPの40%がM-Pesaを介したもの

ところで カリフォルニアでは 携帯電話に取り付けて クレジットカードの決済ができる 四角いプラスチックが話題です。「レジの場所に縛られず カードが使える」 とみんな大騒ぎ すばらしい事ですが そもそもクレジットカードが必要ですか? アフリカでは 何年も前からやっている事ですよ。このような携帯を使ってね。これはキテンゲラという場所で 撮った写真です。ナイロビから1時間程の場所です。このアフリカ生まれのM-Pesaという決済方法の 凄いところは このような携帯で 利用できる事です。SNSを使用するのでどの機種でも 利用可能です。請求書の支払いも 食品の買い出しも 子どもの学費の支払いもできます。税関の職員に賄賂を渡す事も できるそうですよ (笑) 1日 約2500万ドルもの金額が M-Pesaでやり取りされています。ケニアのGDPの40%が M-Pesaを介したものです。このような携帯を利用してね。

 

5 モバイルはまさに今日のゴールド

ただのガラ携だとお思いでしょう。実はアフリカ版スマートフォン ラジオや電灯にもなります。そして何より 電池の持ちがすごい良い。なぜって? 必要不可欠だからです。アフリカのエネルギー問題は深刻です。ところで Facebookのアップデートや Gmailを送信する事も このような携帯で出来てしまいます。すでに存在する技術を用いて M-Pesaという 金銭のやりとりする方法を見つけた訳です。モバイル時代の小切手 のようなものですね。私は炭鉱の町 ヨハネスバーグから来ました 金鉱で発展した街です。これは私が以前にインスタグラム に投稿した写真です。今では モバイルがゴールドの代わりです。北米の鉄道システムの 成り立ちについて考えてみましょう。最初にインフラが整備され 周辺に産業が成長し 売春宿が建つ 現在のインターネットに 少し似ていますよね。そして 他にバーやサロンができ 発展する このような発展全てを可能にしてくれる。モバイルは まさに今日のゴールドです。

 

6 薬の管理、iCow、イーロン・マスク…

では 他に何ができるのでしょうか? これは ガーナのブライト・サイモンズが 発明した物で 薬の服用時に役立ちます。薬に月給全てを使う方も いらっしゃるでしょう。コードを削って ショートメッセージの番号に送信すれば 薬が正規のものか 期限切れかを 教えてくれます。とてもシンプルかつ効果的で 命を救ってくれる発明です。ケニアにはiCowと呼ばれるサービスがあります。これは乳牛の世話に関する重要な 情報を届けてくれるサービスです。ケニアの乳製品業は 4億6300万ドルものビジネスですが 生活自給農業者と 商業生産農業者との違いは 1日たった数リットルなのです。その差を埋められたら 貧困から抜け出せます。シンプルで 基本的な携帯を使うだけ 電気がなくても 大丈夫! このウィリアム・カムクワンバのように 自転車の部品を利用した 風車で発電できますから。彼も アフリカ出身の偉人の一人です。 世界の自動車産業に 革命をもたらし続ける彼は 北米で太陽光発電と 電気産業を再構築する方法を思案中です。そして 彼が幸運に満ちた人物なら 私達を火星へと連れて行ってくれるでしょう。できれば私の生きている間に。彼は南アフリカの首都プレトリアの出身です。私の街から50キロ程離れています。では 「ゴールドの街」という意味のEgoli ヨハネスバーグに話を戻しましょう。今日のゴールド 真の財産 はモバイルでもなく 地中にあるわけでもありません。私達自身が財産だと 私は考えます。経済学者が言うように アフリカは今、中国が 成長を始めた頃の段階にあり 後に続こうとしています。

 

7 アフリカはモバイルオンリーの大陸

先進国では 末端諸国の発明が話題ですが 途上国で発明が生まれているのは あたりまえのことですよ。だって 中心諸国ではみんな Facebookのアップデートに忙しいでしょう。もっとひどいと Facebookの プライバシー設定で 手こずっているかもしれませんね (笑) キャッチーなフレーズなんてありません。境界を越えた発明です。アフリカはモバイル第一の大陸と呼ばれますが 実は モバイルオンリーの大陸です。みなさんが時間をつぶしている時も 私達は世界の問題を解決しているという訳です。これが私からの最後の言葉です。「どういたしまして」 (笑)(拍手)

最後に

プリペイド方式はアフリカの会社Vodacomが生み出した技術。問題解決術である真の発明はアフリカで生まれている。ケニアのGDPの40%がM-Pesaを介したもの。薬の管理、iCow、イーロン・マスクなど。モバイルはまさに今日のゴールド。モバイルオンリーの時代へ

和訳してくださった Akari Takenishi 氏、レビューしてくださった Marika Taniguchi 氏に感謝する(2013年7月)。

経済大陸アフリカ (中公新書)


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