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テイラー・ウィルソン 「うん、核融合炉を作ったよ」

「核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられます」テイラーは語りかける。ここでは、220万ビューを超える Taylor Wilson のTED講演を訳し、14歳のときに家のガレージで核融合炉を作ったエピソードについて学ぶ。

要約

核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられる、テイラー・ウィルソンはそう信じています。そして彼はそのどちらにも取り組んでいます。14歳の時に家のガレージで核融合炉を作り、17歳となった今、直前の依頼に応えてTEDのステージで自分の物語を(手短に)語っています。

At 14, Taylor Wilson became the youngest person to achieve fusion — with a reactor born in his garage. Now he wants to save our seaports from nuclear terror.

 

1 人類のエネルギーの未来は核融合にあり、子どもでも世界を変えられる

僕の名前はテイラー・ウィルソン 17歳で 核物理学者です 信じられないかもしれませんが そうなんです。僕が主張したいのは 核融合こそ T・ブーン・ピッケンズが 話していた 未来への橋渡しを するものだということです。人類のエネルギーの未来は核融合にあります。2つ目に主張したいのは 子どもでも 世界を変えられるということです。

 

2 14歳のときに核融合炉を自分で作った

どうして・・・ (拍手) どうしてエネルギーの未来が 僕なんかに分かるのかというと それは14歳のときに 核融合炉を自分で作ったからです。これは僕の核融合炉の内部です。このプロジェクトを始めたのは 12歳か13歳のときでした。星を作りたいって思ったんです。

 

3 重水素を強くぶつけ合わせることで水素が融合し、その過程で生まれる副産物を利用する

皆さんの多くはたぶん言うでしょう。核融合なんて無理だ 核融合エネルギーを使う原発なんて聞いたことがない。確かに割には合いません。投入した以上のエネルギーは生成されません。それでも なかなかすごいことができるんです。僕はこれを家のガレージで組み立てました。今はネバダ大学の物理学部に 置いてあります。中性子を余分に持った水素である 重水素をぶつけ合わせます。太陽の内部で起きている 陽子の連鎖反応に似ています。ものすごく強くぶつけ合わせるため 水素が融合して その過程で副産物が生じるんですが その副産物を利用しています

 

4 何十万ドルもする検出器より性能のいいものが数百ドルでできた

去年のインテル国際科学技術フェアで 賞をもらいました。国土安全保障省の今の検出器を お払い箱にするものを開発したんです。何十万ドルもする検出器より 性能のいいものが 数百ドルでできたんです。これも家のガレージで作りました(拍手)それから医療用アイソトープを作る システムも開発しました。何百万ドルもする施設がなくても ごく小規模に アイソトープを作れる装置です。

 

5 オバマ大統領に対して国土安全保障研究の説明をした

後ろに今出ているのが僕の核融合炉です。核融合炉の操作盤の 前にいるところです。ガレージで ウラン鉱粗製物を作っているので 僕の核開発計画は イラン並みに進んでいるわけです。認めたくはないですが これはスイスのCERNにいる僕です。世界最高の素粒子物理研究施設です。オバマ大統領に対して 僕が国土安全保障研究の説明をしているところです(拍手)

 

6 他の子にだってきっとできる

「ビンの中の星」を ガレージで作る夢から始まった 核の研究も 7年になり 大統領にも会って 世界を変えられるものを作るまでになりました。他の子にだって きっとできると思います。ありがとうございました(拍手)

 

最後に

福島原発など、たしかに原子力の抱える課題は大きい。それでも、核融合をコントロールする人間の未来に期待したい

和訳してくださった Yasushi Aoki 氏、レビューしてくださった Naoki Funahashi 氏に感謝する(2012年3月)。


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