one-second-every-day

シーザー・クリヤマ 一日一秒

「人生は、美しく、楽しく、悲しい瞬間でいっぱいです」シーザーは語りかける。ここでは、120万ビューを超える Cesar Kuriyama のTED講演を訳し、毎日一秒だけビデオを撮るプロジェクトについて理解する。

要約

人生は、美しく、楽しく、悲しい瞬間でいっぱいです。そんな瞬間をどうやって全部覚えておきますか? ディレクターのシーザー・クリヤマは、毎日、一秒だけビデオを撮るプロジェクトを進めています。人生の特別な一瞬を全て集めるのです。

Cesar Kuriyama has been selecting one second of video from every day of his life, and editing them together into a montage that both records his life, and forces him to reevaluate how he approaches each day.

 

1 「長期充電休暇のちから」

私はアーティストで ニューヨーク在住で広告業界で働いています。学校を卒業してから ずっとで もう 7、8年になります。ばててしまいました。深夜まで働き休む暇もなく働き続けました。気づけば自分がやりたかったことに 時間なんて使っていませんでした。

そんなときあるTEDトークに出会いました。ステファン・サグマイスター氏の “長期充電休暇のちから” です。7年ごとに1年間の休暇をとり 独創的なプロジェクトに取り組むのです。私は それを見た瞬間 触発されて こう言っていました「これだ。1年間休暇をとろう。旅行のための時間を作って家族と一緒に時間を過ごして 独創的なアイデアに取り組もう」

 

2 最初のプロジェクトは 「一日一秒」

まず最初のプロジェクトは 「一日一秒」をやることにしました。基本的には毎日1秒 自分の生活を録画するだけ 残りの人生ずっとです。年代順に 私の人生の一秒一秒のひとコマをつなぎ合わせて 一本のビデオにします。もう 録画できなくなるまで続けます。

このプロジェクトの目的は ただ一つ 過去の出来事を忘れてしまいたくない。私の人生で起こった出来事なのに 全然覚えていなくて人に言われて やっと思い出すことがあります 「ああ こんなことあったっけなあ」と。これを始めてすぐ 気がついたのは 面白いことをするようにしないと ビデオを録画するのを忘れてしまうこと。だから その日…初めて忘れてしまった日は ショックでした。自分が本当にやりたかったことなのに 30歳になった瞬間から このプロジェクトを一生続けていきたいと思っていました。その1秒を忘れてしまった時に そのことが 頭の中に焼き付いて もう忘れなくなりました。

80歳になったとしたら ビデオは5時間にもなっていて 50年もの人生を要約している。40歳になったらビデオは1時間になっていて 30代のころの自分が記録されている。こう考えると 日々励みになり朝 目が覚めると その一日を使って何か面白いことをするようになりました。

 

3 映像化することで記憶を呼び覚ます

さて 前からずっと気になっていたことがあります。一日 一週間 一ヶ月が過ぎるうちに 月日は色あせ ごちゃまぜになってしまいます。残念ながら でも 映像化することで記憶を呼び覚ます。口にできます。このプロジェクトで色あせた記憶から 実際にやったことへと橋を架け私は全てを思い出せるのです。その一秒がその日一日に 私がした全てのことを 思い出させてくれます。どの一秒にするか決めるのは難しい時もあります。調子がいい日は 3秒も4秒も 候補がありますが 一秒におさめなければなりません。たとえ 一秒に絞ったとしても 割愛した3秒を思い出させてくれます。

それから このプロジェクトは 現代人が直面する文化への抗議の意味もあります。コンサート会場で携帯を取り出して 録音している人たち本当に邪魔です。楽しんでさえいません。携帯のフィルターを通してコンサートを観ている ああいう風にはなりたくないけど過去を振り返ると 自分自身も少しそうだったと認めざるを得ません。自分にとって最善の方法は結局 人生を映像化して残すことなのです。でも 決してあんな風にはならない 記憶を呼び起こすための1秒だけを録画しよう 「あのコンサートは最高に良かった。すごく楽しめた」 そんな風に1秒で記憶がよみがえります。

 

4 不調な時も録画する意義

この夏 3ヶ月間 車で旅をしました。ずっと 夢に描いていたことです。ただ アメリカとカナダをドライブするだけ 気の向くままに 素晴らしいものでした。ただ お金を使いすぎてしまいました。1年間休暇を取るために貯めていたお金もです。だから シアトルに行き 友人と素晴らしい企画に取りかかりました。1年間お休みしようと思った理由の一つは 家族との時間を大切にするためです。不幸なことに義理の妹が 突然 腸閉塞になり 救急搬送しましたが 重症でした。何度か死にそうになり 兄とつきっきりで見守りました。そのお陰でもっと大切なものに気づかされました。不運な日に1秒録画することは 非常に難しい 最高の時を過ごしているときにカメラを取り出したり パーティーで「写真撮ろうよ」というのとは違います。不運な日に ビデオを撮る人は あまりいないと思いますが 最悪のことが起きている時でさえ 一秒を録画することは意義があると思いました。不調な時を録画することで順調にいっている時を感謝することができます。人生は山あり谷ありなので 順調な時と同様 不調な時も忘れないようにすることが大事です。

気をつけている点が一つあります。フィルターは使用しないで できる限り肉眼で見たままを録画するということです。つまり 一人称の視点から撮ることにしました。最初の2~3本は自らも被写体になっています。でも やり方が間違ってるかもって気がつきました。記憶を呼び起こすのに一番よいのは 実際に見たままを記録することだと。

 

5 あなたが生きたことを忘れない

このプロジェクトに関して今考えていることは 二つ。大勢の人がこのプロジェクトに参加したら面白そう ―先週31歳になりました。このシーンでした― そして 皆のプロジェクトを 見るのも面白そう。人によって解釈も様々でしょう。誰もが 一日一秒により人生がプラスになります。私は 忘れてしまうことにうんざりしていますが これは 簡単なのでそういう心配はありません。この会場にいるほとんどの人がHD 映像の撮れる― ビデオカメラを持ち歩いているでしょう。これまで生きてきた日々を 忘れたくない その思いがこのような形となり 録画しておいた記録を見るのも楽しいです。ウェブサイトに こう入力すれば 「2018年6月18日」 その日の世界中の人々の一コマを 次から次へと観ることができます。

このプロジェクトはたくさんの可能性を秘めていると思います。毎日をちょっとずつ録画することを提案したい。その日― あなたが生きたことを忘れないように。ありがとう(拍手)

 

最後に

最初のプロジェクトは「一日一秒」。一日一秒を映像化することで記憶を呼び覚ます。不調な時も録画することで順調に行っている時を感謝することができる。一人称の視点から撮ることが重要。あなたが生きたことを忘れない

和訳してくださったYoshimi Masuda 氏、レビューしてくださった Yuko Yoshida 氏に感謝する(2012年3月)。

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