「Romo は iPhone を活用した150ドルのロボットです。親しみやすくてかわいくて、誰もが使えるロボットを本気で作りたいんです」リナウドは明るく語りかける。ここでは、40万ビューを超える Keller Rinaudo のTED講演を訳し、パーソナル・ロボットの未来をイメージする。
要約
あなたのスマート・フォンは、お友だちのように感じられるかもしれないけど、本当の友だちなら、時々微笑みかけてくれなきゃ。TED 2013で、ケラー・リナウドがRomoというスマート・フォンで動くミニ・ロボットを披露します。そのロボットは、あなたが歩くと一緒に動き、コーヒーを取ってくれ、プログラムもできる表情で、あなたに応えてくれます。
Keller Rinaudo is the co-founder and CEO of Romotive — makers of the small, covetable robot, Romo.
1 本気で作りたいのは誰もが使えるロボット
家にロボットがあるという人手をあげてください。あまり多くはないですね。では 手をあげた人のうち― ルンバ以外のロボットを持っている人は? わずかですね。いいんです。これこそ Romotive で私と20人のオタクが 解決しようと やっきになっている問題なんですから。
私たちが本気で作りたいのは誰もが使えるロボット― 8歳でも80歳でも使えるロボットです。実際のところこれは 本当に難しい問題なんです。というのも そのロボットは小さくて 持ち運びができて― 単に 手ごろな値段というだけではなく 皆が 実際に持ち帰って 子どものそばに置いておきたいようなものでないといけません。このロボットは 気持ち悪くても 不気味であってもいけない。親しみやすくて かわいくあるべきなんです。
2 Romo は iPhone を活用した150ドルのロボット
では Romoをご紹介します。Romoは 皆さんがご存知で 大好きな iPhoneを 頭脳として使います。iPhoneのプロセッサの力を活用することで Wi-Fiが使えてコンピューター・ビジョンを備えたロボットを 150ドルで作れました。これは 従来のこのようなロボットの約1%の値段です。
3 Romoは自分の心を持ったペットのよう
Romoは起きたら生き物モードに入ります。装着されたビデオカメラを使って私の顔を追います。私がしゃがめば Romoもついてきます。Romoは注意深いですからずっと私から目を離しません。私が こちらに来れば―Romoもまた追ってきます。こっちにきたら― (笑) 賢いんです。そして もし近寄りすぎたら― 他の生き物と同じように 怖がります。いろんな意味で Romoは自分の心を持ったペットのようです。ありがとう Romo (ハクション) お大事に。
4 どのiOSデバイスからでもRomoに接続できる
世界を探検したければ―おや Romoが退屈しちゃったようですね。もしRomoと世界を探検したければ― どのiOSデバイスからでもRomoに接続できるんです。ここに iPadがありますが Romoが このiPadに映像を送ってきます。Romoが見たものを見て ロボットの目を通じて世界を見られます。これはApp Storeの無料アプリです。このアプリを携帯に入れてる人がいたら 文字通り このロボットを一緒にコントロールして ゲームもできます。
5 Romoの表情で感情表現できる
本当に簡単にやってみますね。Romoが映像を送ってきています。私や 客席の皆さんが映っています。Romoの正面に来ましょう。コントロールしたければ運転もできます。Romoを運転してまわれて 皆さんの写真を撮ることもできます。TEDの1500人の聴衆を撮ってみたかったので 1枚 撮影しますね。iPadで ページをスクロールさせるようにして カメラの角度を調整できます。ですから Romoの目にはみんなが映っています。おまけに Romoは私の延長ですから Romoの表情で感情表現できます。こうやると Romoが喜ぶんです。
6 人に教わらなくてもRomoを操作できる
でも 最も大事なことは― 私たちは 文字通り まったく直感的に動かせるものを 作りたかったということです。人に教わらなくてもRomoを操作できます。誰かロボットを動かしてみたい人いませんか? さあ 挑戦者です。はい どうぞ ありがとう スコット。
7 ロボットを操縦するのに地理的に同じ場所にいる必要がない
さらにクールなのはロボットを操縦するのに― 地理的に同じ場所にいる必要がないことです。つまり Romoは どんなスマートデバイスとの間でも 双方向で音声とビデオを送れます。ブラウザからログインできます。車輪付きのSkypeみたいなもので さきほど テレプレゼンスの話がありましたが これはその いかした例です。想像してみてください。iPhoneを持った 8歳の女の子が お母さんにロボットを買ってもらい その子は iPhoneをロボットに装着して 遠くに住む おばあちゃんをメールで招待し おばあちゃんが ロボットにログインして孫娘と かくれんぼできます。それも 毎晩15分でもです。そうでなければ 孫娘には年に1回か2回しか会えないかもしれません。ありがとう スコット(拍手)
8 Wi-Fiが使えるロボットは互いに学習し合える
Romoが今できるクールなことのうち2つを紹介しました。最後に 将来に向け私たちが取り組んでいることをお話しします。元々うちのエンジニアのドムがある週末に作ったツールなんですが BlocklyというGoogleのオープン・フレームワーク上に作られていて それぞれ意味を持ったコードのブロックをドラッグ ドロップして ロボットに 好きな行動をさせることができます。Romoを動かすプログラムの書き方を知らなくても大丈夫。ブラウザ内で 行動をシミュレーションできます。左で Romoがやっていますね。気に入ったのがあれば 自分のロボットにダウンロードして プログラムを現実に実行できます。そして 自慢できるものができたら― 世界中のRomo所有者と共有できます。つまり これらのWi-Fiが使えるロボットは互いに学習し合えるというわけです。
9 パーソナル・ロボットの一番の魅力は個人に合ったものにできること
誰でも訓練できるロボットに私たちがそんなに熱を入れている理由は 個人に合ったものにできることこそパーソナル・ロボットの一番の魅力だからです。人によって 違っていないといけない。ですから 皆さんの家にロボットがいるとしたら そのロボットは 皆さんの想像力を体現したものであるべきだと思います。
10 パーソナル・ロボットの未来は人の想像力にかかっている
パーソナル・ロボットの未来について話せたらと思いますが― 正直なところ わかりません。ただ 分かっているのは それは10年先でも 千億ドルの投資の後でもなければ 大きな人間型ロボットでもないということです。パーソナル・ロボットの未来はもう 現実に起こりつつあります。そして それは Romoのような小さくて 機敏なロボットと 皆さんのような人たちの想像力にかかっているのです。皆さんがロボットを手にしそれで何を作るのか 見るのが 待ち遠しいです。ありがとうございました(拍手)
最後に
今でも150ドル(約15000円)出せば小さなロボットRomoは手に入る。パーソナル・ロボットを手に入れたら何をしたいですか?一家に一台ドラえもんの世界は近い。
和訳してくださった Yuko Yoshida 氏、レビューしてくださった Yasushi Aoki 氏に感謝する(2013年4月)。
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