register

領収書は額面15%の金券 自営業者のための記帳業務入門

領収書は額面15%の金券といわれる。しかし、会社員時代にそれを実感することは難しい。経費や勘定項目、固定資産や減価償却という用語も、商売の経験を積まなければなかなか意識できないだろう。ここでは、仕事の家計簿にあたる記帳業務についてまとめる。

1 記帳とは

記帳とは仕事上のお金の出入りを家計簿のように付けること。年間の収益を導き出すことが目的であり、申告方法によって要求される記帳レベルが異なる。

  • 白色申告:記帳義務なし
  • 青色申告:簡易簿記(10万円の控除)と複式簿記(65万円の控除)の2つ。簡易簿記方式ならば白色申告と手間はあまり変わらない

 

2 領収書は額面15%の金券

領収書とは経費のもとである。集めれば集めるほど経費が増えて利益が減る。例えば10万円経費が増えれば10万円利益が減って、税金も1万5千円安くなる(所得税率5%+住民税率10%の場合)。減額に応じて国民健康保険の掛金も低くなるため、実質はより還元される。つまり、領収書とは額面15%の金券といえる。

 

3 レシート

領収書とは支払いの証明として必要とされる書類である。そのためレシートであろうが証明になるため、まったく問題がない。

 

4 領収書がない場合

領収書がない場合には、出金伝票を書いて領収書代わりに支払いの証拠とする。「いつ、どこで、いくら、なんのために」を記載する。例えば交通費や冠婚葬祭時の祝儀や香典など。

 

5 必要経費の範囲

必要経費の範囲の基準に正解はない。使用目的を正当に主張できるか否かが境目となる。重加算税や脱税で起訴といった罰則は、領収書の偽造で経費水増しや売上の偽装などといった犯罪性が高いものでない限り関係ない。

 

6 勘定科目

勘定項目とは経費を分類する項目のこと。どこか1つの項目が突出して大きかったり、毎年勘定科目が変わったりといった不自然なことがなければ問題ない。自営業者が使う勘定項目の例には、以下のものがある。

一般的なもの

  • 通信費:インターネット回線使用料、電話料金、切手代やはがきなどの郵送料
  • 交際費:歳暮・中元などの贈答費用、冠婚葬祭の祝儀、接待の飲食費
  • 地代家賃:事務所の家賃、駐車場代
  • 支払手数料:振込手数料
  • 旅費交通費:電車代、バス代、タクシー代、宿泊代
  • 租税公課:事業税、収入印紙、固定資産税
  • 消耗品費:パソコン・コピー機関係の消耗品、封筒、名刺
  • 事務用品費:筆記用具・ファイルなどの文房具
  • 水道光熱費:電気代、ガス代、水道代
  • 広告宣伝費:看板、宣伝チラシ、電話帳広告
  • 支払保険料:火災保険・自動車保険などの保険料
  • 修繕費:パソコンの修理、車検費用
  • 給料手当:従業員の給料、賞与
  • 福利厚生費:従業員の慰安などの費用
  • 減価償却費:自動車・器具備品などの償却費
  • 支払利息:借入金の利息
  • リース料:パソコン・自動車・コピー機などのリース料
  • 諸会費:同業者団体の会費、商工会議所の会費
  • 雑費:上記に分類されないその他の細かな経費

 

特殊なもの

  • 仕入:小売業などの商品仕入代金
  • 車両関係費:ガソリン代・高速代・駐車場代など
  • 材料費:制作のために要する材料の購入代金
  • 取材費:作品等の取材に関する経費
  • 外注費:仕事の一部を外部に委託した場合の委託費
  • 図書研究費:書籍代、サンプル代
  • 会議費:喫茶店等での打ち合わせ費用
  • 支払報酬:税理士への報酬
  • 固定資産除却(売却)損:不要となった固定資産を廃棄(売却)した場合の損失
  • 雑損失:上記以外のその他の損失

 

7 固定資産と減価償却

固定資産

継続的に会社で使用することを目的とする10万円以上の財産のこと(法人税法との関係)。固定資産には耐用年数(車は3〜6年、パソコンは4年など)が定められており、価値がゆるやかに減じていくとみなされている)。

 

減価償却

1年で減った価値分を経費に計上して毎年償却すること。毎年の減価償却額は、取得価額/耐用年数で求められる(定額法)。毎年同じ率で償却していく定率法という方法もある。

 

8 損失計算書(収支内訳書)

記帳した帳簿を1枚にわかりやすくまとめたものが損失計算書(収支内訳書)である。青色申告ならば損失計算書、白色申告ならば収支内訳書となる。いずれも「売上−経費=利益」を記載するものである。

 

最後に

自営業者のための記帳業務入門として、記帳の種類、領収書・レシートの意味、経費、勘定項目、固定資産と減価償却、損益計算書についてまとめた。

小売業においてまず問われるのが、売上高と仕入の差の荒利(売上総利益)である。ここから各勘定科目に応じて経費が引かれていく。つまり、売上高を上げる以外でより多くの利益を上げるためには、仕入部門(商品部など)においては仕入原価をいかに下げるかがポイントであり、運営部門(販売部など)においては各勘定科目を減らすことがポイントとなる。規模が大きいと広告宣伝費や修繕費、減価償却費や車両関係費など、管理する部門が必要となり経費がかさむ場合もある。

一方、大規模な仕入が発生しない自営業においては、ほとんどの経費が領収書で済む。例えばアプリ制作の経費においては、パソコン購入費や通信費程度で済む場合も多く、挑戦するためのハードルは低い。ネットオークションやスキル販売サイトといった経費=自分の人件費程度で済むサービスも出ているので、勘定科目の意味を実感として理解したいという人は、行ってみることをおすすめする。

次回は青色申告についてまとめる。

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>