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円・外貨預金と投資信託による販売手数料の水増し セット商品

前回は、年率表示のトリックや為替手数料の理解度で客を選別する 高金利預金についてまとめた。ここでは、円・外貨預金と投資信託による販売手数料の水増し セット商品について解説する。

円預金と外貨預金・投資信託のセット販売

円預金と外貨預金・投資信託のセット販売によって、リスク分散をうたった商品がある。しかし、これは銀行が手数料を稼ぐために考え出されたものである。年率表示のトリックや為替手数料の理解度で客を選別する 高金利預金でも述べたような為替手数料や、株式投資信託の手数料である。

投資信託にかかる手数料は大きく分けて3種類ある。入口の「販売手数料」、中間の「信託報酬」、出口の「信託財産留保」である。合計すると、3〜5%の手数料がかかることが多い。

 

初心者が買いやすいように工夫

こうしたセット商品は「初めての投資セット」のような名前で、初心者が買いやすいように工夫されている。典型的には、外貨預金や株式投資信託には、為替レートや株価の変動によるリスクがあるが、儲けるチャンスもある、と考えている人にアピールするのである。

 

金融の世界ではセットだから損

ハンバーガーショップなどではセット販売だとお得になるが、金融の世界ではセット販売は損になる。それは、それぞれの商品において手数料が上乗せされていくからである。

 

セット商品の多彩な広告

セット商品の多彩な広告として、①「円定期預金+外貨定期預金」のセット商品であることの説明が小さいもの、②円定期預金の金利には「倍率表示」、外貨定期預金には「年率表示」と使い分けているもの、③資金を投資信託により多く配分すると、円定期預金の金利が高くなるものなどがある。いずれも商品としてはおすすめできないが、広告としては工夫されているものである。

 

最後に

セット商品は販売手数料が高い。定期預金には手数料はかからないが、外貨預金には為替手数料、投資信託には各種手数料が上乗せされるからだ。「初心者のための○○」には注意が必要。金融の世界ではセット販売は損

次回は、長期の円定期預金にはインフレの恐怖がある 長期預金についてまとめる。

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)


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