wilderness

ウェイド・デイヴィス 保護すべき身近な原生地の素晴らしい写真

社会における燃料需要と壮大な自然の保護の必要性は、どのようにバランスを取ることができるのでしょうか?」ウェイドは語りかける。ここでは、85万ビューを超える Wade Davis のTED講演を訳し、保護すべき身近な原生地の素晴らしさについて理解する。

要約

民族誌学者 ウェイド・デイヴィスは、世界の秘境を探検していますが —- この力強い、短い話では、デイヴィスは、彼にとってのふるさとであるカナダ北部の楽園を守ろうと、私たちに語りかけます。聖なる源流は、自然のまま残された辺境でしたが、地下に埋まる資源のために危機にさらされています。素晴らしい写真と共に、デイヴィスは、難しい問いを投げかけます。社会における燃料需要と、この壮大な自然の保護の必要性、どのようにバランスを取ることができるのか?

A National Geographic Explorer-in-Residence, Wade Davis has been described as “a rare combination of scientist, scholar, poet and passionate defender of all of life’s diversity.

 

1 西海岸の都市化の基となり発展を支えた水源

これはチベットの話でも アマゾンの話でもありません。あなたを 北極圏のイヌイットの生活にも 焼けつくような砂のサハラ砂漠にも連れて行ったりはしません。これは 私の地元の話です。この土地は タールタン族や ブリティッシュ・コロンビアの先住民族には 聖なる源流として知られており 鮭が生息する3つの川 スキーナ川 スティキーン川 ナス川の源です。この谷は 一日たっぷりあれば あるいは二日あれば ハイイログマやオオカミの踏み跡をたどりながら 源泉まで遡れるでしょう。西海岸の都市化の基となり 発展を支えた水源です。本当に美しく―今までに見た中で 最も自然が残っています。カナダ人が イギリスを引き離せる場所― イギリスではありえない風景です。1879年 ジョン ・ ミューアはスティキーン川の下流から3分の1を上り その光景にうっとりして 150マイル続くヨセミテと呼びました。彼は カリフォルニアに戻ってきて 飼い犬を その魅惑の川にちなんで命名します。アメリカ合衆国本土では 整備された道から 20マイルと離れられません。ブリティッシュ・コロンビアの北西部は オレゴン州くらいの大きさで そこには 海岸山脈の側を通り ユーコン準州まで続く 狭い アスファルトの帯が一本あるだけです。私は その道が建設されたすぐあと1970 年代初頭に その道を通ってスパッチジ原生地域での 最初のパークレンジャーの仕事につきました。私の職務明細書はほんとに漠然としたものでした。自然保護地域の評価と広報 4ヶ月の任務を2回とおして会った人は 12人といませんでした。特に広報するような人もいませんでした。

 

2 ギックサン族の長老・首長のアレックス・ジャック

しかし これらの放浪の過程で 私は 古いシャーマンの墓にたどりつき 素晴らしい人との出会いをすることができました。アレックス・ジャックです。ギックサン族の長老 首長で 生涯 そこで罠をかけ 狩りをしてきた人です。30 年にわたり 私はアレックスから伝統的な物語― ほとんどが ウィ・ゲートの出てくる神話を聞いて記録しました。ウィ・ゲートは ギックサン族伝承の登場人物で 自ら愚行をすることでこの地で生きる術を人々に教えるのです。アレックスが96 歳で亡くなる少し前に 彼は私に贈り物をくれました。カリブーの骨を彫って作った道具で 1910 年に彼の祖父が作ってくれたものです。それは 罠猟師が使っていた特殊なもので オオカミのまぶたを剥がすのに使われました。アレックスが亡くなって初めて 彼が剥がしたまぶたは私のまぶただと気づきました。私が見て学べるようにといろいろなことをしてくれた― アレックスなりの さよならだったのです。

 

3 タールタンの土地だけで41もの産業開発計画がある

さて 孤立していることはこの素晴らしい土地の 良いところでもありましたが今日では 孤立は悲運にもなります。皆さんがよくお聞きになっている通りタールサンドの開発や キーストーン エンブリッジ社のパイプライン計画についての論争があります。しかし これらは カナダ北部の野生地域全てを 津波のように席巻する産業開発の ほんの一部にすぎません。タールタンの土地だけで41もの産業開発計画があり 将来性があるものも大きな懸念があるものもあります。タールタン族はトダジン山を 天の野生動物の楽園と崇めてきました。ここは地球上で最大のストーンシープ生息地です。インペリアル・メタル社 カナダの鉱山会社で75番目の企業ですが 同社は そこで 銅・金鉱山の露天採鉱をする 許可を取っており 30年間 一日30,000 トンもの採掘をし 何億トンもの有毒廃棄物を排出し 計画によれば 廃棄物は そのまま “聖なる源流”の湖に捨てられることになっています。“聖なる源流”自体についても シェル ・カナダ社が 100万エーカーの石炭層から メタンガスを抽出する計画があり 数億ガロンの有害化学物質を使って 石炭を水圧破砕するというのです。たぶん 6,000もの坑口が作られます。やがて 炎を吐き出す坑口をつなぐ道路やパイプラインの ネットワークが作られてメタンガスを産出するのです。ガスはおそらく東部に運ばれ タールサンドの開発拡大に使われることになるでしょう。

 

4 タールタンの人々はあなたの助けを必要としている

10年間以上 タールタン族の ウルフ氏族 クロウ氏族は共に 故郷の地への攻撃に抵抗してきました。あらゆる年齢の男性 女性 子どもたちに 車椅子の年配者も加わって 内部に続く 唯一の道路を封鎖しました。彼らにとって この源流は 台所なのです。また 聖域でもあり 祖先のお墓です。そして その源流は これから生まれてくる世代のものなのです。

タールタン族は 下流に住む全てのカナダ人や 地元の政治家の支援があったお蔭で故郷の地への攻撃に抵抗をしてこれました。しかし 今 全てが不安定な状況にあります。今年行われる決定によって 文字通り この土地の運命が決まります。タールタンの人々は 部族の文化遺産保護区の創設を呼びかけています。これは ブリティッシュ・コロンビア州最大の保護地区になります。私たちの目標は その実現を支援するだけではなく 私たちの友人である シェル社の良き人々に “聖なる源流”から手を引くだけではなく 共に前に進み私たちに加わるよう働きかけることです。素晴らしいこと たぐいまれなことを成し遂げるのです。永遠に 保護地区として タールタン族の聖なる源流としてではなく 世界のすべての人々の神なる源流を守るのです。

タールタンの人々は あなたの助けを必要としています。私たちも あなたの力が必要です。この偉大な計画に参加したいと思う方は のちほど 私のところまで来てください。ありがとうございました(拍手)

最後に

西海岸の都市化の基となり、発展を支えた水源。ギックサン族の長老・首長のアレックス・ジャック。タールタンの土地だけで41もの産業開発計画がある。文化遺産と産業開発の狭間

和訳してくださった Yuko Yoshida 氏、レビューしてくださった Sakuya Kawakami 氏に感謝する(2012年2月)。

One River: Explorations and Discoveries in the Amazon Rain Forest


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