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ハラルド・ハース 電球からのデータ発信

世界中の電球からデータを発信できたらどうでしょうか。容量、効率、実用性、安全性の問題が解決できれば問題ないですよね?」ハラルドは語りかける。ここでは、150万ビューを超える Harald Haas のTED講演を訳し、電球からデータ発信する方法とその可能性について理解する。

要約

世界中の電球からデータを発信できたらどうでしょうか?TEDGlobal でハラルド・ハースは、それを実現させる機器の初のデモンストレーションを行います。人間の眼では認知できない速度でLEDライトを点滅させることで、セルラー方式の電波を使うよりも遥かに多いデータを送ることができます。さらに効率性・安全性・有用性でも従来のものより優れています。

Harald Haas is the pioneer behind a new type of light bulb that can communicate as well as illuminate – access the Internet using light instead of radio waves.

 

1 世界には140万本のセルラー方式の電波等がある

知っていますか。140万本のセルラー方式の電波塔が この世界にあります。これは基地局となっています。また この世界には このような機器がなんと 50億個以上もあります。つまり セルラー方式の携帯電話です。我々は携帯電話で 毎月 600テラバイトものデータを 送信しています。0がなんと14個もある 膨大な数値となっています。今日では 電気や水のように 無線通信も生活必需品と なっています。職場でもプライベートでも 毎日のように使っています。さらに時折 このようなイベントでは当たり前のように 携帯電話の電源を切るよう 丁寧にお願いされます。重要度の高さが まさに この技術の抱える問題を 研究しようと思った理由です。つまり無線通信は生活に不可欠なのです。

 

2 電波には容量、効率、実用性、安全性の問題がある

その問題の1つが容量です。データを送る方法として電磁波 — 特に電波を使っています 電波には制限があります。量は乏しく 値段は高く 一定の範囲の波長しか使えません。この制限のせいで 毎月送られる膨大なバイト数や 莫大なデータを処理できず 無線通信の需要が満たされていないのです。スペクトルを使い果すためです。2つ目の問題は 効率の悪さです。基地局である140万本の電波塔は 大量のエネルギーを消費します。なんとエネルギーのほとんどは 電波を送るためではなく 塔を冷却するために使われています。それらの電波塔の効率性は たったの5%なのです。この効率の悪さは大きな問題です。3つ目の問題は皆さんもお気づきでしょう。飛行機で携帯電話を使えない という実用性の問題です。病院では安全面の問題がでてきます。安全性が4つ目の問題です。電波は壁を通過します。妨害されることもありますし 人によってはあなたのネットワークを 利用しようとします。

 

3 光は本質的に安全で、世界には140億個もの電球がある

この4つが主な問題です。ところが その一方で 世界には140億個もの 電球があります。つまり光です。光は電磁スペクトルの一種です。では他の電磁スペクトルも 見てみましょう。ガンマ線は 危険なので近づかないで下さい。X線は医療の現場で役立ちます。次は紫外線です。程良い日焼けにはいいですが 度を超すと危険です。赤外線は 低出力でのみ使用できます。眼の保護規制がありますから 次は電波です。もう問題はお分かりですね。そして真ん中にあるのが光スペクトルです。そう 光です。光は何百万年も存在しています。実のところ 光は我々を創造し 生命を創り そして命における 全てのものを創りました。つまり 光は本質的に安全なのです。光を通信手段に使うことは素晴らしいと思いませんか。

 

4 電波よりも光スペクトルの方が1万倍も多く使用できる

実は 光を他のスペクトルと比較しました。電波の量と 光スペクトルの量を 比べてみました。どうなったでしょうか。なんと 電波よりも光スペクトルの方が 1万倍も多く使用することができるのです。量が多いだけではありません。先程述べた数字を使いましょう。この世界には 非効率的で 高価なセルラー方式の基地局が 140万本あります。それを1万倍にしてみると 140億となります。140億という数字は既にある電球の数です。つまりインフラは整っています。天井を見上げると電球がたくさんあります。メインフロアでも同じです。

 

5 半導体の電子機器LED電球は反応がとても早い

これを通信に使えるか — 使えます。何が必要になるでしょうか。まず必要な事は 効率も悪く 高熱を発する 蛍光灯を取り除いて 代わりに 新しい技術である LED電球を設置することです。LEDは半導体の電子機器です。そして LED電球は反応がとても早いです。とても速いスピードで 明るさの調節が可能で 電源を消すことも瞬時に行えます。この性質は不可欠です。独自の技術を使って 研究しました。ではお見せしましょう。まずは身近な物で説明しましょう。そう リモコンです。リモコンには赤外線LEDが 付いていて それをOn/Offするのです。これは単調なデータが 遅いスピード — 毎秒1万~2万ビット 流れる仕組みですが Youtube には遅すぎます。

 

6 「SIM OFDM」技術を使えば数千のデータを同時送信できる

それについて 我々は ある技術を開発し リモコン内の電球をさらに改良して 取り替えました。我々の技術を使えば 単一のデータ流だけでなく 数千ものデータ流を 同時に送ることができます。スピードも増しています。我々は この技術を SIM OFDM と呼んでいます。これは空間変調技術ですが 専門用語なので ここでは詳細を割愛します。ですが このようにして 光源でのデータ発信が できるようになります。「素敵なスライドショーですね」と 思っているでしょうが それだけではないのです 実を言うと デモ用モデルを作ったのです。ここで この技術の初めての デモンストレーションを行います。ここにあるのは 普通のデスクスタンドです。これに3米ドルくらいの LED電球を装着して 信号処理技術を組み込みました。ここには小さな穴があります。光の通り道です。これが受信機です。この受信機が振幅の微かな変動を 変換して 電子信号に変えます。さらに電子信号を変換して 高速のデータ流を生みだします。将来的には この小さい穴の役割を スマートフォンが担うことでしょう。光センサーをつけるだけではなく 内部カメラも利用できそうです。

 

7 本来の目的は照明だが、同時にデータ発信も可能

このスイッチをつけると いったい何が起こるか お察しの通り これはデスクスタンドです。スイッチをつければ本が読めるでしょう。光は空間を照らします。しかし同時に動画が映っていますね。これは高画質の映像ですが 光によって発信されています。批評家である皆さんは こう思われているでしょう 「これには何か種があるはずだ」 しかし こうしてみると –(拍手)ではもう一度 まだ信じられませんか。正真正銘 この光が 高画質映像を分割して発信しています。デスクスタンドを見てみると やはり光っています。人間の眼では認識できません。電圧の振幅の微かな違いを 我々は認識できないのです。本来の目的は照明ですが 同時に データ発信も可能なのです。もちろん天井からの光も 受信機を照らしていますが 影響を与えないようにする事ができます。その理由は 受信機が 微かな変動だけを察知するからです こんな疑問をおもちでは? 「結局のところ データを発信している間は ずっと光が必要なのか」 答えはYESです。ですが 照明をまるで電源がオフの時のようにまで 暗くすることができます。そんな状態でもデータ発信はできます。

 

8 容量、効率、実用性、安全性のすべての課題を解決できる

先程 4つの課題を述べました まずは容量 — 電波より1万倍も多い 光スペクトルがあります。その数のLEDが既にあります。つまり容量は問題ないです。賛成してくれますよね。次に効率 — データは光を通ります。元々は照明機器です。エネルギー予算を計上してみると データ発信は無料で行えます。つまり効率はよくなります。LED電球自体の効率性には ここでは触れません。世界全体にLEDを設置すれば 何百もの発電所が必要なくなります。この話は置いておきましょう。そして実用性 — 光はもちろん病院の中にありますよね。見えないといけませんから 光は飛行機の中にもあります。つまり どこにでもあるのです。そう スマートフォンだってそうですよ。LEDライトが付いています。これらを使って 高速データ発信が可能なのです。最後に安全性 — 光は壁を通過しません。これには賛成してくれますよね。機密データであろうが 光がここにある場合 壁の向こう側にいる人たちは 誰も読むことができません。光のある所にのみデータが存在するのです。つまり この受信機にデータを与えたくない場合 私がやることは ただ光をそらせばいいのです。そこにはもう送られません。データの行き先が実際に分かります。

 

9 海底探査車同士での通信も可能となる

私にとって この技術の実用化は 発明当時の予想を遥かに超えています。この10年で 素晴らしいアプリ開発者が何人も出ています。気づいてみれば 光がある所では データ発信技術の使い道があるのです。少し例をあげてみましょう。事の大きさに既にお気づきかもしれませんが これは海底探査車で 遠隔操作ができます。海底を照らすために光を使っています。この光もデータ発信に利用でき 探査車同士での通信も可能となります

 

10 石油化学プラント、病院、道路、飛行機などでも使える

安全第一の環境である 石油化学プラントでは 高周波は使えません。火が点くかもしれません。しかし見ての通り 光なら使えます。病院では 新しい医療機器に利用できそうです。道路での交通規制にも使えそうですね。車にはLEDライトが前後に付いています。車同士の通信も可能になり 情報交換によって 事故を防ぐことすらできます。信号と車の通信など 他にも色々あります。世界中の道路には 数百万本もの街灯が立っています。街灯で無線通信ができます。これを Li-Fi と呼んでいます。ライト・フィデリティーです。飛行機の客室には 数百個もの電球があります。この電球を使って データを発信することができます。あなたのお気に入りのTEDトークを 長旅の間に見られます。オンライン生活も不可能ではありません。

 

11 必要なのはマイクロチップを照明機器に取り付けるだけ

必要な事は マイクロチップを 照明機器に取り付けるだけです。これによって 生活の基盤の2つである 照明と無線通信の 両方の機能が得られます。これは共益関係であり 今日の無線通信における 4つの問題に対する解決策だと思います。そして将来 140億個の電球が Li-Fi 装置となって 世界中に整備されているでしょう。向かう先は クリーンで 環境に優しく そしてもっと明るい未来です。ありがとうございました(拍手)

最後に

電波には容量、効率、実用性、安全性に問題がある。光は本質的に安全で、世界には140億個もの電球がある。電波よりも光スペクトルの方が1万倍も多く使用できる。LED電球と「SIM OFDM」技術を使えば数千のデータを同時送信できる。必要なのはマイクロチップを照明機器に取り付けるだけ

 

和訳してくださった Naoki Funahashi 氏、レビューしてくださった SHIGERU MASUKAWA 氏に感謝する(2011年7月)。

人感センサー付 電球型ビデオカメラ BC-681


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